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実技試験 5

 私はカルナ・ローラン、幼い頃から『A』ランクの魔法の適正に恵まれ、天才と呼ばれていた。


 冒険者になってからも優秀な成績を残し、その後ルーシス校長に憧れ養成学校の教員となった。


 綺麗に結った赤い髪を揺らし、小型の杖を取り出し構える。


「授業開始よ、魔法の基礎を叩き込んであげる。

 そうね、まずは対人戦の基本を見せて上げようかな」


 私の魔法適正は現代魔法『A』と特殊スキル・3連詠唱トリプル・チェイン・キャスト【同時に3つの魔法陣を展開できる】がある。

 それに加え自分用にカスタマイズした片手用の杖『魔法陣短縮の杖』により、3秒間に最大『6個』までの魔法陣を展開できる。


『高速詠唱のカルナ』冒険者ギルドではそう呼ばれていた。


 実技試験中にも関わらず、不純異性交遊を楽しんでいた不良生徒達と向かい合う。


「カルナ先生! 誤解ですって!」

「黙りなさい! 言い訳は後で聞くわ!」


 黒髪の女の子の方は見るからに魔法適正が低い、戦うまでも無いわね。


 男の子の方は追影先生のクラスの筆記問題で、ふざけた回答をしてた学者のドミニク君ね。


 見た事のない大きな杖を持っているわね、恐らくモンスターの素材から作り出した1級品の杖かしら……


 この子からは計り知れない程の魔力の圧力を感じるけど、それを完全に抑え込んでいる。


 ただ者じゃ無いわね……


「行くわよ、負けても気を落とさないようにね。これが教員と生徒の力の差、本物の魔法と言う物よ」

「カレンのせいで絶対誤解されてるな……よろしくお願いします!」


 手の届く距離に大木が沢山あるので、木々の裏に隠れてしまえば簡単に魔法は防げる。


 この場合、無闇に攻め込むのは悪手だけど相手は14歳の少年よ、守りの戦術なんてあり得ない!


 草木に足を取られない様に注意し、睨み合う。


 対人の魔法戦闘において魔法陣の複数展開、及び『解除(キャンセル)』の性能が勝敗を分ける。


 まだ解除の魔法もまともに習ってない1年生に、負ける事なんて絶対に無い! 勝負は一瞬で終わるわ。


 開始の合図も無く、お互いの杖から魔法陣が描かれた。


 杖を構えると同時に『6個』の魔法陣を3秒で展開!


 ドミニク君が1秒で展開した『12個』の魔法陣に合わせて……え??? 12個ぉぉ!!???


「飛ばして行きますよ先生! 初級魔法(オリジナル)!!」

「え!? 何これ!? 頭上にも魔法陣が展開されてるんですけど!? 天空魔法陣だよねこれ!?」


 何が起きてるのか理解出来ない、どうして手元に描いた魔法陣が私の頭上にあるの?? しかもこの数の魔法陣を同時展開だなんて……


 ドミニク君が白い不気味な杖を掲げ、魔法を発動させた。


初級魔法(オリジナル)

アトモスフィア(大気の)デス・ジャッジメント(死の審判)』」


 私の足元に風の魔力が渦巻いてる、まさかこの魔法は!!


 上空目掛け、地上から一気に大気の圧力が爆発する。


 ズドーン!と勢い良く、上昇気流の魔法で大空へと跳ね上げられた。

 

「きゃぁぁぁ!!」


 こ、この魔法は アトモスフィア(大気の)ドラゴン()の魔法!? 人間に生み出せる規模の魔法じゃ無い……


 ただの学生がどうやって竜族の魔法を……そんな事出来るわけが。


『アトモスフィアドラゴン』高度100~8000mで常に飛行状態で生活し、魔法の咆哮で地上の生物を上空へと吹き上げ餌とする巨大なドラゴン。


 地上に一切降りてこない為、討伐不可能と言われている。


 ※


   空高く舞い上がり、綺麗な星となって消えたカルナを見上げる生徒達。


「ねえ、先生消えちゃったよ?」

「あれ? 魔法陣12個位なら簡単に解除されるかと思ったんだけど……」


 僕と同じで、先生も低ランクの杖を使って手加減してくれてたのか。


 試験だもんね、素手の状態なら『3000個』くらい同時に魔法陣を展開できる筈だし。


 一一一一一一一一一一一一


『名前』:カルナ・ローラン

『種族』:人間

『性別、年齢』:女 25歳


『身体能力』:接近戦闘 D


『魔法適正』:現代魔法 A

【古代魔法を簡易化させ、劣化させた現代の魔法】


『生産適正』:薬草学者 C

【薬草に関する知識の豊富】


        :裁縫 C

【裁縫に関する知識の豊富】


『特殊スキル』 3連詠唱トリプル・チェイン・キャスト

【3つの魔法陣を同時に展開する事ができる】


『ステータスカード称号』:教師 :手品師 :裁縫師見習い


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