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《3巻発売中》 僕がSSSランクの冒険者なのは養成学校では秘密です  作者: 厨二の冒険者
第2章 仕様上削除不可の ifルートおなっております。
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「「クエスト完了〜!」」


 採取クエストを終えた各パーティが、草原地帯にて無事に合流した。


 収集して来た各種の鉱石を、布袋からバラバラと取り出し、クエスト完了の喜びに浸りながら原っぱに並べて行く。


「しかし、ファラオが転移魔法の使い手とだったとはな! 鈍足のルーシスでは彼に追いつく事も出来まい」

「彼こそSSSランクの名に相応しい男だ!」


 さっきとは打って変わって別人の様に、僕を褒め称える声が聞こえて来る。


「ふん、何を今更、調子の良い人間どもだな」

「無償でクエストを手伝ってくれたのです。むしろ、私達は感謝すべき所ですよ」


 拗ねた顔で頬杖をつくルミネスを、レヴィアがまぁまぁと(なだ)めていた。

 僕も苦笑いで応える、確かに手伝って貰っておいて、下手な事は言え無いし……


「鉱石の分別が終わったぞ、確認してくれ」

「お疲れ様です、流石に早いですね!」


 手際良く分別され、積まれた鉱石を見定めていると、安っぽい黒の鉱石が1種類だけ、腰の高さまで山積みにされていた。


 その中の1つを手に取って見る……この鉱石は、エリシアスで最も需要の高い『鉄鉱(てっこう)石』だね。


 これに精錬(せいれん)を行い、不純物を取り除いた金属の塊を『インゴット』と呼び、船の素材は勿論、鍛冶に使う剣や盾の素材にもなる。


 他の鉱石はどうだろう? 水上で推進力を得るのに適したアクアマリン鉱石、飛行には風属性のブルートパーズ鉱石まであるな。


 全部揃ってる、これで船の推進力は問題ないけど凄い量になっちゃったな……

 数十名の冒険者達が、鞄いっぱいの鉱石を集めて来てくれたので、草原には1トンを超える鉱石が転がっていた。


「これ全部、ビクターさん達に精錬して貰うとなると、追加料金が必要かな……」


 精錬の費用に頭を悩ませていると、隣でレヴィアも鉱石を摘み上げ、ジト目で何かを考えていた。


「ええっと、思ったのですが。純粋な金属と不純物を、魔法で分離する事は出来ませんか? 原理は同じですよね」


「分離の魔法は液体や、魔力情報を抜き出す魔法だからね。結合済みの個体を分離させるのは無理じゃないかなー」


 ……待てよ、確かにレヴィアの言い分にも一理ある。鍛冶なら部活動でやった事があるし、精錬も似た様な物かな? 試しにやってみる価値はあるな。


「分離の魔法陣を書き換えてみるか…… 」


 試しに、適当に構成魔力数を組み合わせた魔法陣を描き、呪文を唱えて見た。


初級魔法(オリジナル)・『精錬(せいれん)』」


 転がっていた鉱石が宙にフワッと浮き上がり、放たれた光が魔力情報を読み取って行く。

 魔力の浸透率、純度の高い部分のみを残し、不純物は、分離の魔法でゴミとして的確に消し去る。


 最後の仕上げに、物体の形を自由に変える思考形成の魔法も組み込んだ。鉄鉱石は山積みにし易い長方形に変え、魔法石は綺麗な丸型に仕上げる。


 処理の終わった魔法石とインゴットが、一斉にドン!!っと地面に落ちて来た。


「やった! 上手くいったよ、レヴィアの言った通りだね」

「いえ、ドミニクなら出来ると思っていました」


 パーンッと、レヴィアとハイタッチし、僕達もやっと休憩にした。


 調理スキルで作った、即席トマトジュースをみんなに配り、船に必要の無い余った魔法石を分け合う。残った分は採取クエストの支払いとして、一部ギルドに還元した。

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