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《3巻発売中》 僕がSSSランクの冒険者なのは養成学校では秘密です  作者: 厨二の冒険者
第2章 仕様上削除不可の ifルートおなっております。
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 ファルコンさんが、庭に落下したカーバンクルに、回復の魔法で治療を行っていた。


「普通さ、素手で竜族を殴るかな? ビックリしたよー」

「ごめんなさい、咄嗟の事でしたし、って言うか煽ったのはファルコンさんじゃ無いですか……」


 なんとか治療して貰い、怪我は治ったものの、横たわったまま動く気配は無い。かなり手加減したのに、再生能力を上回るダメージを与えてしまったみたいだ。


「何で急に襲って来たんですかね? 親と認識され無かったからですか?」

「合成獣は、初めて見た人を親だと認識する習性があるよー。純粋に遊びたかったのかもねー」


 まだ意識の無いカーバンクルの体を、少し調べてみる。見た目は長い耳が目立つ、大きなフェネックだ。全身は水色の体毛に覆われ、長いフサフサの尻尾の辺りから、特殊レッドハーブが何本か生えていた。


 上手く合成出来てるな、ハーブ種の獣は、食べたハーブが体から生えてくる。

 このカーバンクルにもその遺伝子を組み込んであるので、わざわざ汚染させなくてもエリクサー用のハーブを育成する事が出来る。


「不思議なカーバンクルだねー、体が大きいのもあるけど、ドラゴン族の要素が強いんじゃないー?」

「ええ、大気竜の心臓に、赤竜の爪も合成しましたからね」


「そんなの入れちゃったの??」


 まぁ、ステータスを見てみるのが手っ取り早い。カードを翳すと、カーバンクルから魔力流れて来た。


 一一一一一一一一一一一一一


『名前』:アトモスフィア・カーバンクルドラゴン


『種族』:大気竜族 :カーバンクル、ハーブキツネ族


『性別、年齢』:♀ 0歳


『魔獣ランク』:SS


『戦闘能力』:接近戦闘 S

      :魔法、風属性 S 火属性S

      :飛行 S

      :水泳 S


『特殊能力』:薬草育成、採取 S

      :毒耐性 S

      :再生能力 S

『ステータスカード称号』:神聖狐 :ハーブ獣 :合成獣


 一一一一一一一一一一一一一


「……SSランクの魔獣だね?? おお?? ステータスがおかしいよー??」

「あー……ハハ、本当ナンデダロー……これってどのくらい強いんですか?」


「そう言われると難しいなー、SSランクの魔獣なんて見た事ないし、グリフォン相手なら圧倒できる位の強さはあるんじゃないー?」


 なかなか強い魔獣らしい、研究師のファルコンさんが言うなら間違いないな。

 さて、今の内に契約の印を刻んでおくか。クリスタルの魔法石は無いので、今すぐ召喚獣には出来ないけど、直接、カーバンクルの首筋に、契約の印を刻み込む事で僕と魔力で繋がり、使い魔とする事が出来る。


初級魔法(オリジナル)召喚契約刻印(サモンコントラクト)


 刻印を刻み終わると、カーバンクルは急にムクッと上半身を起こして辺りを見渡し、僕を見つけて口を開いた。


《遊びましょう、パパ様》


 元気に起き上がって、腰の辺りにスリスリと頭を寄せてくる。どうやら、単に遊びたかっただけみたいだな。

 横からファルコンさんが、面白そうに尻尾のハーブを引っ張っていた。

 

「これ採取出来るのー? せっかくだから名前つけてあげたら?」

「そうですね……大気竜からとって、名前はフィアにします」


 まだ生まれたばかりで、本能のままに行動してるのか、珍しそうに地面の雑草を食べ、ガブガブと池の水を飲み始めた。せっかく特殊レッドハーブが生えてたのに、雑草に生え変わっちゃうぞ……まぁいっか。


「これからよろしくね、フィア」

《フィア? 私の名ですか? よろしくお願いします、パパ様》


 フィアは青い巨体を僕に向け、ぺこりと頭を下げた。もしかしてこの子、大気竜と同じで10mくらいになるのかな?? まぁその内、対策を考えれば良いか。念願の、乗れる使い魔が手に入っただけで良しとしよう。

 研究室の屋根は一部吹き飛んじゃったけど、追加料金を払ってトムさん達に直して貰おう、まーた出費が増えたぞ……


「ところで、ファルコンさんって飛べるんですね?」

「そりゃ飛べるよー、鳥だもん」



 ※



 ドミニク達が魔獣を合成している間、ルミネスは部屋の掃除を軽やかにこなしていた。


「ふんふんー、お掃除、お掃除〜。あれ? こんな所にクローゼットがあるな」


 何となくウォークインクローゼットの隙間に入り、白い扉をガチャっと開くと、中に保管されていた衣装を見て、ルミネスの心が踊った。


「研究室に何故、モダンなメイド服があるのだ……可愛い、着たい!!」


 掃除を終えたルミネスは、ポイポイッと着ていた黒のメイド服を脱ぎ捨て、丈の短い可愛らしいピンク色の新しいメイド服に着替えた。


「完璧だ……猫耳を隠せば、普通の女の子に見えるぞ。ドミニク様は喜んでくれるだろうか……?」


 鏡の前でクルクルと回り、ポーズを決めていると、ズドン! っと空気が振動し、調合室の窓がガタガタと揺れた。


 なんだ? と不吉な予感がし、すぐに検索の魔法を飛ばす。


「ドミニク様と……これは、神聖獣の気配か? 何かあったのだな」


 急いで調合室から飛び出し、玄関の扉を開けると同時に、池から触手がバチャバチャっと飛び出し、ルミネスの両足首に絡みついた。


「にゃあ!?」


 更に、池から数本の触手が、腕に、腰に絡みつき、自由を奪うと、ズルズルとルミネスを池の方へと引きずり込んでいく。


「離せ! これはリヴァイアサンの触手か!? 何でこんな所にいるのだ!」


 この程度! と、脚力で強引に地面に体を固定する。


「ふっ、リヴァイアサンごときが調子にのるなっ!」


 池の方からギョイ! と魚の鳴き声が聞こえ、上級魔法による巨大な水の竜巻が放たれ、身動きの取れないルミネスに襲いかかった。


「メイルシュトロームまでぇ!? にゃぁぁ! ドミニク様ぁ!」

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