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普通となるため、ロリコンは。  作者: 正守証
本編 
9/22

本編⑥ ── 妹萌(前編)

 少しだけ、過去の話をしよう。俺がまだ、小学四年生だったときの話。

 俺がまだ、家族と友好関係を築いていたころの話。

 その話は、俺がアニメを趣味として持つようになったころから始まる。



 初めていわゆる萌えアニメを見始めたのは、そのアニメのネット評価が高かったからだ。

 それまでも有名なロボアニメなどを見ていた俺にとっては、萌えアニメというものはものすごく新鮮だった。

 綺麗な作画に、魅力的なキャスト。これでハマらないわけがない。

 その日を境に俺は、どんどん「萌え」というものに陶酔していった。


 某日。いつものように学校が終わり、俺はいつもの通学路を歩いていた。その、歩いている最中(さなか)

 一つの店を見つけた。毎日通っているはずの通学路なのに、初めて見かけた。恐らく新しく開店した店だったのだろう。

 俺は引き込まれるようにその店に入っていた。なぜかって? 店の前の看板に、俺の好きな萌えアニメのヒロインの、等身大パネルが置いてあったからだ。店の名前は、『妹萌(マイホウ)』。

 余談だがあのときは等身大パネルという言葉自体知らないで、でっかいポスターだと思っていた。

 一人のアニメ好きとして、入らないわけがない。


「あぁ? おい、なんだ坊主ぅ。前にある看板に惹かれたか? ここはガキの来るとこじゃねえぞ」


 入ったとき、俺がまだ幼かったからか、店主が話しかけてきたのをよく憶えている。

 店主はヤクザよろしくの口調とは裏腹に、優しそうな顔によく似合う笑顔が特徴だ。


「‥‥‥あの、店の前にあるのって桐乃(きりの)ですよね。

 ()、あんなおっきいポスターなんて見るの初めてで、すっごい興奮しちゃって、それでっ、入って来ちゃって‥‥‥」


「ははは! そうかそうか! 今の時代、お前みたいなガキでも萌えアニメを見るんだなあ! はっは! 世も末だ!」


 店の中にはラノベやポスター、漫画やフィギュアが揃っており、更にはタペストリーまであった。

 俺がまるで宝の山を見つめるように見ていると、店主が話しかけてきた。


「おいおい坊主、まさかおまえ、妹萌えとかするのか?」


「‥‥‥いもうと、もえ?」


「知らねぇで入ってきたのか! がははッ! 店の前にあるキャッチコピーに書いてあるだろ、『妹が出てくる作品ならなんでも揃ってます』ってよ! 見ないで入ってきたのかァ?

 妹萌えってのはなァ、妹に萌えるってことだよ!」


「‥‥‥もえるって、なに?」


「そっからか! ‥‥‥いやァ、考えてみると俺もよくわかんねェなあ。まあとにかく、可愛いと思えば萌えなんじゃねえの!」


「でっ、でも‥‥‥友だちが家族に興奮しちゃいけないって言ったの聞いたし‥‥‥」


「ぐははッ! 言いたい奴には言わせておけッ! だいたいお前も桐乃に興奮して入って来たんだろ? 妹萌えしてんじゃねえか!」


「あっ‥‥‥そっか」


「なあなあ。どうせ開店したばっかで人も集まらねぇし、ちょっと話していかねえか?」


「う、うんっ!」


 俺は店主と、腹が減って腹が鳴るまでずっと話していた。

 好きなアニメのこと、好きなキャラのこと、好きなモビルスーツのこと、エトセトラ、エトセトラ。

 そして帰るとき、ただで桐乃が出ているラノベをもらった。ラノベという存在を初めて知り、大事にラノベを両腕で抱きしめ、わくわくしながら家に帰った。

 ‥‥‥遅くなったということで、親に怒られたが、そのときは怒られた内容などまったく頭に入ってこなかった。

 二日後投稿と言いましたが、この話はめっちゃ楽しんで書いて、早く皆様に見せたい、ということで今日投稿させていただきます。この話は自信あります。

 たぶん、前編中編後編で分かれると思います。一話約1000文字と、自分の中で決めております故。


 次回は、明日投稿させていただきます。

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