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普通となるため、ロリコンは。  作者: 正守証
本編 
7/22

本編④ ── リレー小説(前編)

「‥‥‥リレー小説とか、やらねぇ?」


 春休み。二月中旬。

 半月ぶりに遊びに来た篠原(しのはら) 美女(みお)、そしていつもの三人の合計四人でボードゲームをして遊んでいたところ、急に花岡(はなおか)が提案する。


「平●読の作品によく出てくる、書いた小説の続きをまた別の奴に書かせるやつか。なんだ、お前は話の内容をパクって楽しいのか?」


「いや、さすがに平坂●と同じってわけじゃねえよ! 文章はちゃんと変える! いいですよね、正守(ただもり)さん!」


 花岡が天へ仰ぐようにこの小説の作者に尋ねる。おい、作者出てきたらもう色々崩壊だろ。あ●ち充作品か。

 正守から了承を得て、さっそく花岡は自前のパソコンを起動させる。


小林(こばやし)ィーッ! お前もやらねェーッ!? リレー小説ぅ! ‥‥‥それと、篠原も」


「アー、じゃあやるかな」


「不純な遊びではなさそうだし、やるわ」


 と、いうわけで。

 順番はジャンケンで決め、結局 小林 → 篠原 → 俺 → 花岡 ということになった。



 小林は十分くらいで書き終えたようで、「へへ、なんか見せるのは恥ずかしいナ」と照れながら言ってきた。

 俺たち三人はパソコン(メモ帳機能で書いた)をのぞき込み、読み始める。



【小林パート】


 西暦2045年。世界に核爆弾が大量に降り注いでから十年が経過した。爆弾が落ちたころよりはそれなりに食料の安定もできるようになり、人々は平和な暮らしを取り戻した──と。

 そう、思われていた。



 北部ロシア。世界で唯一戦争が続いている地域である。

 直接戦争が起こっている地域ではなくとも、やはり食料は安定していなかった。ロシアで採れる食料はほとんど、軍に取られてしまうからである。

 今日も、ビランは酒を飲みながら愚痴っていた。ちなみに十二歳である。


「ったく。だいたい何も学ばねえのか、『あの事件』からよ」


「仕方ないよ。ロシアは『あの事件』の三年前に戦争で負けかけたんだ。植民地にされたくなければ、戦うしかないんだ」と、ビランと長年友人関係を築いているキルサンは言う。


「はっ、なんでそれで国民の腹を空かせるんだ。流れ弾も飛んでくるしよ。国民を平和にするための戦争だろ、本末転倒じゃねえか」


「‥‥‥そうだね」


 そう、キルサンが言った瞬間──


 ベチャッ。


 キルサンの頭部に拳銃の弾が当たり、キルサンは床に倒れた。

 血のせいで倒れたときの効果音は、かなり残酷なものになる。


「‥‥‥‥‥キル、サン?」


 ビランは必死にキルサンの肩を揺らす。しかし目は開かず、口も開かない。

 もうキルサンは、人間ではない。人間の皮を被った、人形なのだ。

 流れ弾がキルサンを殺した。その事実に理解し始めたころには、既にビランの目には涙が浮かんでいた。


「クソがァァァ──ッ! 戦争なんて、さっさと終われよォ──ッッ!」



 友人が、死んだ。

 人という生き物は脆く、そして壊れやすい。

 そんな事実が、俺にはなぜか少し、──可笑しかった。

 そして俺は、一人部屋で笑い続ける。


「ははっ、は、はっはッ」


 泣きながら。



「‥‥‥‥‥どっから言えばいいのかなぁ」


 俺はため息をすることしかできなかった。

 なんか、どっかで見たような展開を詰め合わせた感じしかしない。


「え、これ本当にあのデブが書いたわけ? 凄くない?」


 漫画を読まない篠原は感心しているようだった。

 そして小林はドヤ顔をしている。まあいい、次は篠原だ。



 篠原の小説は出来上がるまで、一時間近くかかった。ひどい。

 というわけで、どうぞ。



【篠原パート】


 キルサンは生き返った。ビランが魔法の薬を飲ませたからだ。キルサンが死んだあと、ビランは魔法使いのおじいさんの家を訪ね、自分の命と引き換えに魔法の薬を渡してもらった。おじさんは案外優しかった(*'ω'*)。

 おじさんが言うには、ビランはあと二十分で死ぬそうだ。そのまえにキルサンに薬を飲ませてやらねばならない。

「待ってろよ、キルサン! 俺がお前を、助けてやるからな(^^♪」

 ビランはキルサンが死んだとこへ無事に生き、キルサンに薬を飲ませてやった。

「あれ。僕は死んだはずじゃあ。ビラン、キミが生き返らせてくれたのかい?」

 だがそのころにはもう、ビランは死んでしまっていた。キルサンは叫んだ。

「ビラン! 死んだら何も残らないんだよお(´・ω・`)」



「‥‥‥なんだこのゴミは」


 一時間近くかけてこれか? マジで酷いな。一応、篠原も大学生だろうに。ちなみに俺たちと篠原は、入っている学校が違う。

 それにしても、絵文字はないだろ絵文字は。他の奴らも同感らしく、苦笑いをしている。

 ていうかまず、あの頭のよさそうな喋り方でこんな文章を書けるほうが疑問だわ。


「その、ファンタジックでいいと思うぞ」と花岡。


「なに言ってるの晴翔。この小説、完全にサスペンスじゃない」


「あっ、そっすか。そっすか‥‥‥へー‥‥‥サスペンス、っすか‥‥‥」


 というわけで、俺の順番が回ってきた。

 後編へ続く。

 時間がかかってしまい、申し訳ありません。

 本当は五時までに投稿したかったのですが、うっかり寝てしまい、こんな時間になってしまいました。

 さて、今回の話。

 まあ、●坂先生の話を読んだときからやりたかったネタです。本当は友達とやりたかったです。友達欲しいです。

 

 次回は二日後投稿とさせていただきます。ではッ!

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