本編① ── 彼女が立っていたそこは、成年男性向けコーナー
「(終わったぞぉぉぉぉ!!)」
俺たち──守田 一樹、花岡 晴翔、小林 武蔵の三人は、猛烈に喜んでいた。
春休みが、始まったのだ。
今日──一月三十一日から約二ヶ月、俺たち大学生は自由なのだ。やばい、キャラじゃないのに笑いが止まらん。
まあ、俺たちは学校では空気だから、はしゃぐのは家に帰ってからなのだが。
家に戻ると案の定、大はしゃぎである。
花岡が靴を脱ぎながら、大声で提案してくる。
「さぁて! 学校も終わったことだし、久しぶりに秋葉原行こうぜ!」
「そうだな。小林、お前も来るか?」
「俺は先週、かがみたんのフィギュア買ったから、財布がブラックホール‥‥‥」
「よしッ! じゃあ、二人だけで行くかァ!」
というわけで、俺と花岡は秋葉原に行くこととなった。
俺たちは東京都内に住んでいるため、三十分くらいで秋葉原に行けるのだ。まあ、最近の俺のブームは秋葉原よりも中野なのだが。中野はよいぞ。
「うわーッ! おい、守田見ろッ! 壁面広告が変わってるぞッ! そうかァ、あのアニメ二期始まるもんなーっ!」
「‥‥‥‥‥おまえと来たのは間違いだったわ。少しは周りを気にしろ。一緒にいる俺が恥ずかしいわ」
壁面広告なんて普通に変わるだろ。なにをはしゃいでるんだこいつは。
‥‥‥俺、なに買おうかな。ここまで来たらなんか買いてえよな。
ガンプラでも買うかな。新しいガンダムフレーム格好良かったし。
「おい、花岡。悪いけど俺、ヨドバシ行ってていいか? ガンプラ買ってくる」
「は!? おんまえ、ここまで二人で来て一人で買い物かよ! 俺このあとらし●ばん行くんだから付き合えよ!」
「知らねぇよ! だいたいお前もオルフ●ンズ見てただろ! ならヴ●ダールの格好良さわかるだろうがッ!」
‥‥‥くっそ、逆ギレしてしまった。だがこの件に関しては俺が正解だろう。
一人で買い物くらいさせろってんだよ。周りの人たち、俺らのほう見てくるし。
「‥‥‥‥‥‥‥そうだな。ヴィダー●はかっこいい。
だが、格好良さ。子供心と言ってもいいだろう。子供心と性欲。どちらが本当に、満たさなければならないものなんだ?」
「知るか。だいたい貴様、あれほどの同人誌を持っていながらまだ望むのか? なんだ、馬鹿なのか? そうなのか?」
「うッ、うるせぇなァ! プレミア品とかあるかもしれないだろ!?」
「どうせあっても俺に買わせねえだろ。じゃあな、俺は行く」
「よっしゃわかった! 同人誌一冊! なんでもいいから買ってやるよ! それでいいだろ! なァ!?」
「よっしゃ、いいだろう。じゃあ行くぞ」
と、いうわけで。
同人誌一冊を条件に、俺はら●んばんへと向かった。
らしん●んへ着くと、俺は最初に一般向け同人誌コーナーへ向かう。
一般向けのほうが値段が高いのが多いからだ。なんでも一冊ならば、普通高いものを買わせるだろう。
と。
一般向けへと向かう途中、あり得ない光景を目にした俺は、その場で固まってしまった。
「
うそ、‥‥‥だろ」
「おい、守田。なに急に止まってんだよ、早く進め──え」
花岡も気づいたようだ。固まっている。
まあ、誰でもあんなのを見たら、固まるわな。
男性向けの、成人コーナーに立ち止まる彼女。俺の幼馴染であり、花岡の元恋人。
が、男性向けコーナーで大量買いをしているのだ。
「‥‥‥ぉ、おい守田。さっさと行くぞ」
花岡は成人向けコーナーを見ようとしていたが、一般のほうへ向かおうとしていた。
やはり、避けている。
俺たちが一般向けへと向かおうと歩み始めた、そのとき──
「──晴翔?」
俺たちの平和な毎日は、今日を以て終わることになった。
本当は午後の五時に投稿したかったのですが、九時となってしまいました。申し訳ありません。
というわけで、本編の始まりです。
楽しんでもらえたら幸いです。
ここからは本編にまったく関係のない、ただ僕が話したいだけのエッセイ(?)です。どうでもいいひとは飛ばしてけっこうです(笑)。
進撃●巨人の二期が始まりましたが、面白いですね。一期からかなり時間が空いていましたし、あまり期待していなかったのですが、さっそく来週が楽しみです。
これだけです。エッセイ的なもの、これだけです。ホンットどうでもよくてすみませんッ!!
次回は、二日後投稿します。