本編⑰ ── だから。
「──俺、ラノベ作家になるよ」
俺は、自分の将来を語る。
小説は、二ヶ月くらい前から書き始めた。最初はなろうに投稿して、読者も増えて、感想が来たときなんかは思わず笑ってしまった。
そして同時に、来た感想を読んでラノベ作家になりたいと、本気で決心した。
そりゃあ、文章の下手な俺のことだ。批判も浴びた。でも、それでも、「面白かった!」と言ってくれる人たちがいる。
その一言さえあれば、今までのどんな悩みだって吹き飛ぶような、そんな気分に浸れてしまう。それってすごい、楽しいことなんだろう。
「ラノベ作家なんてみんなロリコンだ。そのなかに入れば、俺も普通になれるんじゃないかなって思ってさ」
「‥‥‥まあ、そんなことだろうとは思っていたよ。あそこまでキーボードを叩かれちゃなぁ。正直くっそうるさい」
「い、いいんじゃねえの? 売れっ子作家になったら挿絵描いてヤルよ」
「案外優しいんだな、お前らって」
「‥‥‥なんか、漫画の最終回みたいなこと言ってんなお前ら」と、篠原が呆れたように言う。
いや、それにしても存外バカにされないものだな。「草www」とか言われると思ったわ。
それじゃあ、俺の夢を語っちまったことだし本格的に実現するか!
まずはどっかの新人賞に応募してやる。
というわけで俺は小説を書きまくった。
もともと妄想はするほうだったんだ。小説のアイデアなんていくらでもある。
それを、全部混ぜ合わせて。それでもゴチャゴチャしすぎないよう調節して。
そんな作業を繰り返し、書いて書いて書きまくる。
周りの同級生が就職に焦り始めても、ラノベ作家になることのみに熱意を注ぎ。
そして一年半後、努力が認められる。
俺の小説の、出版が決まったのだ。
応募した小説は十五作くらいか。それ以外になろうでの投稿も続けた。
出版社はかなりの大手で、ありがたいことに銀賞だった。「金賞じゃねえのかよ‥‥‥」とか思ってはいけない。
挿絵を描いてくださるかたもかなり大手で、「これは売り上げも期待していいぞ」と編集者にも言われたし。
そんなわけで、発売当日。
俺は近くの本屋で、開店前から待機していた。本当にあるんだろうか、俺の小説が。
まあ、当たり前だが売られていた。不意に、泣きそうになってしまった。
俺の努力が認められた。俺が、認められたんだ。
俺みたいな中途半端な人間でも、やればできる。
嬉しかったんだ。
そして、買ってくれた人がいた。
これ、面白そうじゃね? と、言ってくれる人がいた。
楽しんでくれる人がいた。
それが好きで。
だから。
だから俺は、ロリコンは。
この道を選ぼうと、そう決めたんだろう。
というわけで、これが「答え」です。少しでも納得させられたら、俺の勝ちです。
ちなみに伏線は、本編二話で貼ってあります。伏線と言えるのかわかりませんが、「ラノベ作家なんてロリコンしかいないからな!」と。
次からはエピローグです。これが書きたかった!
というわけで俺は、明日から修学旅行です。
だから三日ほど休ませていただきます。いつもだろとか言うなよ!
というわけで、よかったらまた次回も読んでやってください!




