暇潰し①-山手線ゲーム-
「ルールの確認をするわ」
山手線ゲーム。当然皆様ご存知であろう。今の時代においても色褪せない汎用性の高さが売りのこのゲーム。今更ルールを説明するまでもないが一応しておくとしよう。
①お題を決める
②適当にリズムにノリながらお題に沿った単語を言っていく
③言葉が止まる、もしくは重複した言葉を言ったらゲーム終了。止めてしまった人が負けとなる。
④以上を飽きるまでやる
なんともシンプルなゲーム。しりとりに似た感じがあるが、少しだけルールがシビアで決着が着きやすいのが特徴だろう。
正直に言ってしまえば二人でやるより多人数でやった方が盛り上がるゲームだ。余程切羽詰まってなければ二人でやることはない。つまりそういうことなんだけど。
「いつも通り、負けた人が次のお題を決める…でいいな?」
「ええ。それに加えて今回は長くやる為のルールを追加するわ」
「ほう…? どんなルールだ?」
長く続ける為のルールか…制限時間を長くするのか、はたまた答えやすいルールにするのか…。
「いつもは制限するものを解除するわ。『出すお題のジャンルは不問』よ。何でもあり」
何…だと…? ジャンルは不問…つまり、出すお題は何でもいい…だとォ!?
「おまっ!? そんなことしたらアホみたいにマイナーなお題出すだろ!? 100%グダるって!」
山手線ゲームは確かに汎用性が高いゲームだが、お題によってはグダグダになってしまうという欠点も持ち合わせている。
仮に『初代ファミコンのソフトの名前~』とか始められたらおっさん以外答えられないよ、みたいな話だ。
「それはそうだけど、そうでもしないとお題なんて出尽くしてるじゃない。それに、お互いの知ってることなんて大体分かってるでしょ?」
「む…まぁ、確かに一理あるな…」
子供の頃から小町とは数えきれないほど山手線ゲームをしてきたので、既にやったお題は星の数ほど存在する。こうでもしないとゲームが成立しないというのは納得だ。
それに互いの事は誰よりも知っている俺達ならば、何とか馬鹿みたいなお題も乗り切れるかもしれん…いける…いけるぞ…ッ!!
「それじゃ始めましょ。目標はお昼になるまで続けることね」
「望むところだ。今日は勝ち越すぞ」
かくしてたった二人の山手線ゲームは開始される。端から見たらアホにしか見えないんだろうなぁ…。