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マシュマロ   作者: 里兎
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~ココアの味~

女の子は途中、長くボサボサの髪の毛を短くおかっぱ位まで切られました。

沢山自殺をしてきた女の子の髪の毛は血の固まりとなり、短く切らないといけない状況だったのです。

そうして暫く歩くと男の子は1つの大きな一戸建ての前で止まりました。

「ここです。」

男の子は女の子の手を少し引きました。女の子はただその家をぼぅっと見つめるだけでした。

「寒くなってきたし中に入りましょうか?」

男の子はそのまま女の子を促して小さな門を音をたてながら開けて、その奥のシンプルな作りの扉を続けて開けました。

扉を開けると外見のまま中身も広い造りになっていました。

「靴ここで脱ぐのですが……………そうか君は靴はかたっぽだけでしたね。後で君の靴を買いにいかないといけませんね?………後服もですね。。。」

少し男の子は考えた仕草をして

「取り敢えず歩きっぱなしで疲れましたよね?どうぞ座ってください。何か温かい物入れますね」

女の子は勧められるままふかふかのソファーに腰掛けました。

私はちゃんと殺されることが出来るのだろうか?

女の子はそんなことばかりを考えていました。

すると男の子が行った方から甘い匂いが立ち込めました。そしてそのままマグカップを2つ持った男の子が女の子の側迄来てソファーの隣に腰を掛けました。

1つ女の子にマグカップを渡すと中には甘い匂いのする黒い液体のなかに白い物が浮かんでいました。

「ココアにマシュマロを入れてみました。マシュマロってこういう時以外にあまり使わないんですね」

男の子は隣で笑って見せました。

女の子は湯気の立ち込めるココアを見つめながら小さく質問しました。

「………あなたはどうすれば……………私を好きになってくれますか?」

男の子はマグカップに口をつけながら少し悩んだ風にして

「うーん。自傷行為をしない子ですかね。嫌いにはならないのですが、気持ちは動きませんかね?」

女の子は少し震える手を誤魔化す様にきつくマグカップを持ちました。

「…………後、敬語は辞めましょうか。きっとオレと歳変わりませんよね?…………オレも辞めるね?」

女の子が少し困ったように目をキョロキョロさせると

「………君がタメ口で話してくれたら、気持ちが動くかも」

男の子は女の子のうつむく顔を覗きこむ様に笑ってみせました。

「………わかりま………わかった。」

女の子は自分が死ぬために出そうなった敬語を必死で堪え、答えました。

「ほらココア冷めちゃう。ね?飲んで?」

そう勧められるままマグカップに口をつけると口の中に甘いココアとふわふわなマシュマロの甘さが広がりました。味はわかるのに、美味しいのか美味しくないのか女の子には分かりません。でもこれだけは感じる事が出来ました。

温かい。

女の子はその温かさが心にも染み込んでいく気がしました。

でもお腹があまりすかないせいかその一口だけでもう女の子には必要のないものになりました。

女の子がマグカップを目の前のテーブルに置くと男の子はその瞬間に重ねるようにして口を開きました。

「………一緒に学校に行かない?」

女の子はそのまま男の子の言葉に耳を傾けました。

「君の知らない世界がまだこの狭い世界が広がっていると思うんだ。」

「……………。」

「矛盾だらけの社会には必要性のない事ばかりだけど、オレには少なくとも君には学校に行くことが必要だと思う。」

女の子は下を向いたまま何も言いません。

「どうだろう?」

「………行きたくない。」

「どうして?」

「…………あなたには必要性の有るものに…感じるかもしれないけど………私には…感じないから」

「………じゃあずるい言い方していいかな?」

「……………。」

「学校に一緒に行ってくれたら、オレが君を好きになる可能性が高いと思うんだけどな?」

「………………。」

「君は死にたいんだよね?」

「……………。」

「確かに………一緒に暮らしているだけで君を好きになるかもしれない。でもね?時間が掛かるとは思う。君は長い時間死ぬのを待てる?」

「……………。早く殺して欲しい………出来れば今すぐにでも。」

「じゃあ一緒に学校に行こう?」

男の子は笑顔で女の子に問い掛けました。

「……………わかった。」

自分が早く死にたいためとはいえ、女の子は苦しい選択をしました。

学校に行く。

気持ち悪い。気持ち悪い。

吐きそうだ。

心に更に真っ黒な濃霧が立ちこめるようだ。

でも私がこの霧を晴らすためには、、

殺されること…………

重い。

分かってるのに。

何ですぐ殺してくれないんだろう。

何でこんなこと言うんだろう。

私は死にたいだけなのに。

私は必要とされたくないのに。

この世界には不要な存在なのに。

「大丈夫?」

男の子は心配そうに女の子の背中を擦りました。

女の子はその言葉を無視するかのようにうつむき続け、口に手を当てたままその後男の子が何を話しても、その日は話す事を辞めてしまいました。

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