表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

取引

ベッドに横になりながら昼に貰った名刺を眺める


「夢取り扱います…ってなんかアホっぽいなぁ」


そう言いながら査定金額を思い出す


「4000万…ねぇ」


それが他の人の他の夢に比べてどれくらいの位置になるのか

ちょっときになり始めてた


それに説明がつかない事とかもあるし一応連絡とってみるかな…


名刺に書いてある電話番号に電話をかけようとしたが

ちょっと怖くなったので近くの自販機で電話をかけることにした


3コールくらいしてから男の声が聞こえた


「はいこちらドリームバイセル受付担当富士です」


「え?アンタ受付だったんすか?」


「あ!昼間の野球選手の夢をお持ちの!え~と…」


「井上隆矢、西郷隆盛の隆に矢文の矢」


「あぁ!隆矢様!お待ちしておりましたよーえぇ」


待ってましたって感じでテンション上がってるし


「ちなみに営業、受付対応すべて私一人で行ってます」


大変だなぁおい…


「それで、夢をお売りになる決断はもうお済みになられましたか?」


「いや、そうじゃなくてシステムがよくわかんねぇんすよ」


そうだ、分からない事が多すぎてまだ取引とかそういうとこまで行ってない


「システム…うーん、そうですねぇ」


「まぁそのザックリでいいんで分かりやすくお願いします」


「了解しました」


「まず夢を売る前にお客様に3つのルールをご了承しただきます」


「ルール?」


「えぇ、これがないと後々面倒ですし」


取り敢えず聞いてみた




1.この会社に関して外部に漏洩しないようにマウスロックをかけさせてもらいます


2.取引が成立しましたら当社に関する記憶を全て削除するブレデリートを実行させていただきます


3.当社のご利用開始直後からのキャンセルは受け付けませんのでお気を付け下さい



「ここまでで何かご質問等ありますか?」


「えっと、マウスロックとかブレデリートとか…」


「マウスロックはお客様の口から第三者に情報が渡らないようにロックをかけさせていただきます」


どうやってだ…ってツッコミたかったけど黙って聞いた


「これはこの商売の事が外部に露見してしまいますと自身で夢を掴まれた方や夢を買って叶えられた方に疑いがかけられてしまうのを防ぐのと、夢の減少を防ぐのとの二重のリスク防止の為です」


ふーん…


「ブレデリートとはこの取引の事をずっと覚えておかれると我々も先述の通り困りますので記憶を消去させていただきます」


「それってヤバイんじゃないの?」


「いえ、取引やそれに関係する記憶をいただくだけで脳に影響はありません」


「はぁ…そうっすか」


「ってか記憶の消去とかマウスロックだっけ?とかどうやって…」


「あ、それなら今日もうすでにご覧になられたでしょう?」


もしかしてあの不思議な力かな…?


「さて、どうなされますか?」


「うーん、金はどうやって貰えばいいの?汚い話題でごめんだけど」


「いえいえ!大切なお話ですものね!えぇ…振込です」


「oh…意外と普通」


「まぁ、そうですね」


さてどうしたものか


あの得体の知れない力で俺の命まで奪われたらどうしよう

でもそんなメリットこの男にはなさそうだし…う~ん


「あ、ちなみに記憶の書き換え、というよりかは歴史の書き換えという認識でお願いしますね」


「ん?うん…」


ちょっと迷ったけどもともとこうゆう感じの非日常的な出来事には憧れてたし、金も貰えるしいっか!


「じゃあ売ります」


「ありがとうございます!それでは日時はどういたしましょう?お客様のご都合に合わせますが」


「明日とかでもいいっすよ、休みなんで」


「了解しました!では明日の昼頃にお伺いしますね」



翌日、本当に来た


しかも玄関から


「いやぁ平日の雨の日は土木業者さんは休みなんですね!サボるのかとおもっちゃいましたよフフフ!」


子気味いいリズムで肩の雨露を払った男は突然真面目な顔で語り始めた


「では野球選手の夢を買取ますが…本当に宜しいのですね?」


俺が頷くと男は俺の手を握って言った



「ドリームバイ」















ドドドドドドドドドドドドドドド!



今日もランマーを使って砕石を抑える


重たくて仕方がない


「ケンちゃん大丈夫か?無理だったら無理って言えよ?」


学生の頃ずっと文芸部だった僕には厳しい仕事だったが他にやりたいこともないし無職よりはいいだろうと始めたが


限界かな…


「おい!ケンちゃん!?」


ゆっくりと地面に引き寄せられる身体を支える力が残ってない


そのままランマーが動いている地面に顔から落ちた


「…!……!!」


親方が何か言ってるが聞こえない


慌てて親方が駆け寄るが


視界をランマーが遮った次の瞬間









ドドドドドドドドドドドドドドドドド!









現場に悲鳴が響く


ランマーが視界を遮る直前


親方の後ろに誰か立っていたような気がした

ケンちゃんは講座に入っていた4000万で女手一つで育ててくれたお母さんに家を買ってあげました


記憶は書き換えられ宝くじが当たった

になってます


ちなみに最後は歴史を書き換えられて筋力や体力がない状態で土木作業を無理して行った結果…という感じです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ