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臆病なノラネコの出会い方

 

私が高校に入学してすぐのことだった。

帰り道に不思議な人に出会った。



まだ寒さの残る4月。

私こと岸田凛(キシダリン)は夕暮れに帰り道の下り坂を自転車で翔けていた。

今の時期だけ、桜が舞い散るこの帰り道は最高の景色を演出している。


別に塾や習い事がある訳ではない。

高校に入学するにあたって一人暮らしを始めたので、これから夕方のタイムセールに参加しにいく途中という訳だ。

一人暮らしの為に母親を説得するのにはかなりの労力を消費したものだ。



――チリンチリン。



桜並木の下り坂を翔る私は鈴の音が聞こえた気がした。


咄嗟に聞こえた方に視線をやると、反対側の歩道に同じ学校の制服を着た青年が歩いていた。

私の視線は刹那の中で青年の特徴を捉え、直ぐ様目の前の坂へと戻った。


真っ白で綺麗な髪。170cmはあろう長身。


坂を下り切り、赤信号の為に停車する。


「あれ?」


鈴の音はどこから聞こえたんだろう。

というかこの時間に登校?


「まあいいや」


そんなことを考えている間に信号は青へと切り替わり、私はまた自転車を漕ぎ始めた。



これが私と彼の、最初の出会い。

一瞬ではあったけれど、今思えばそれだけで十分だった。




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