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異世界帰還者イッチちゃんねる〜異世界も魔法もあるんだよ!〜  作者: mitsuzo
プロローグ

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001「ただいま地球!」



 プロローグ



「カメラよし! マイクよし!」


 異世界から帰還した俺⋯⋯『藤代(ふじしろ) 琢磨(たくま)』にとって今日は大事な一日であった。

 というのも俺が今からやろうとしているのは⋯⋯『配信』。

 そう、世界最大の動画共有サービス『Yo!Tube(ヨーチューブ)』で自分のチャンネルを開設したのだ。


 ぶっちゃけ、めちゃめちゃ緊張している。

 だって、チャンネルを開設するなんて初めてだし。

 異世界召喚前の俺なんてだいぶ陰キャだったし(笑)。


 ちなみに、俺が異世界から戻ってきたのは約一週間ほど前。


 こうしてチャンネル開設をしてYo!Tuber(ヨーチューバー)を目指すことになった俺だが、帰ってきた当初はそんなYo!Tuber(ヨーチューバー)を目指すなんて思ってもみなかった。


 俺が異世界に行ったそもそものきっかけ⋯⋯『死因』は仕事の過度なストレスによる生活習慣の悪化から招いた『脳梗塞』だった。

 その後、俺は『雲だらけの世界』で《《女神》》と出会い、そこから異世界に転生したのだが今はその死んだときの時間に戻っていた。


 なので、現状はまだ会社員という立場なのでそのまま仕事を続けることもできるのだがしかし俺は会社に行こうとは思わなかった。


 そりゃそうだろ?

 なんせ、俺はその会社で過度のストレスを受け、その結果脳梗塞で死んだんだぞ?

 そんなブラックな職場に戻るなんてあるわけないだろ?

 そこまで俺は『M』ではない。

 あ、別に俺が『M』ってわけではないからな?


 ちなみに、自分の死因が『過度なストレスによる脳梗塞』とわかったのは、死んだ後に出会った《《女神》》が教えてくれた。


 そんなわけで、俺は異世界から戻ってからは会社に行っていない。

 当然会社から電話はかかってきたがそこで「会社やめます」と言って切った後、すぐに会社の連絡先を『着信拒否(着拒)』にし、『退職代行モームリぽ』に電話して退職手続きしてもらった。

 

 こうして世界に平和が訪れたのであった。


 めでたしめでたし。



********************



 無事ブラック企業を退職した俺だがその結果無職となったわけで。

 ということで、本来ならすぐに仕事を探さないといけないところだが、ただ一応多少の貯金はあったのですぐに生活に困ることはなかった。

 とはいえこの状態はよくても3ヶ月くらいしか持たないので新しい仕事を探さないといけないのは変わらない。

 しかし、そこで俺はふとあることを考える。



(せっかく異世界から帰ってきたのにそのまま普通の仕事をするのか⋯⋯?)



 ラノベだとこの手の話⋯⋯いわゆる異世界から戻ってきた系の主人公は《《俺と同じく》》力を継承していてその力を利用して配信などをして有名になっていた。


 だから俺もそれに乗っかろうと思った。

 だが、それは現在の俺には当てはまらなかった。

 なぜか? それはこの世界には『ダンジョン』が無いからだ。

 まあ当たり前の話ではある、あるのだが、しかし、異世界があったんだから帰ってきた元の世界にダンジョンがあってもおかしくないじゃないか? そうだろ?

 でも現実はそう甘くはなかった。


 もしもこれがラノベなら元に戻った地球は『ダンジョンありきの世界』で、それで主人公が異世界の力を使って無双、さらにはそれを配信することで有名になってお金もいっぱい入ってくるという夢のような生活が待っていたはずなのに!


 俺の戻った世界はダンジョンなんてないごく普通の現代社会。

 まー現実なんてそんなもんだ。異世界に行った俺が言うのもなんだけど。


 とはいえ、俺には異世界で得た力があるのは事実。

 なので俺はこの力をどうにか活かして生活ができないかを考えてみた。


「う〜んダンジョン配信はダンジョンないから無理だし⋯⋯⋯⋯ん? 《《配信》》?」



 その時——『天啓』が降りた。



「待てよ? 誰も行ったことのない異世界の話をするチャンネルなんてどうだろうか? そうだよ! こんなの《《俺しか》》語れねーじゃねぇか! 異世界の話を聞きたい奴なんてごまんといるはず⋯⋯いや誰だって聞きたいだろ! おいおいおい、これってまさに未開拓市場(ブルーオーシャン)じゃねーか! 勝ったな、ガハハ!」


 てなわけで、俺はその天啓(ひらめき)を信じてチャンネルを開設することに。


 そうなってからの俺の行動は早く、すぐにチャンネル配信用のカメラだったりパソコンだったりと配信に必要な機材を貯金を切り崩して購入した。


 決して安くない買い物ではあったがしかしこれは先行投資。

 しかも勝ち確。よって俺は妥協せずそれなりのものを購入したのであった。

 ちなみに、パソコンとかカメラなど特に詳しくないのでとりあえずネットで調べておすすめからフィーリングで買った。


(こういうのはフィーリングよ、フィーリング)


 ということで、あれよあれよと準備を始めて一週間。

 ついに俺のチャンネルの初配信が始まった。



「ただいま地球! 異世界帰還者イッチちゃんねる、はっじまっるよ〜!」



 すると挨拶をした瞬間、コメントが流れ込んできた。


——————————————————


:初手「ただいま地球!」wwww

:待ってた!

:マジで開設しやがった!

:異世界帰還者ってチャンネル名がパワーワード過ぎるw

:イッチ見に来たぞ。しっかりやれ


——————————————————


 ふむ、早速コメントが届いたか。


 どうやら《《前日》》の『オカルト板』での宣伝が効果を発揮したようだ。


 こうして、(のち)に『伝説のチャンネル』と称される『異世界帰還者イッチちゃんねる』の第一回配信が始まった。


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