表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

1編3分で読めるショートストーリー集

1日3分超短編集「校舎から見える旧校舎」

作者: 月島七海

 今回は少し怖いイメージのある旧校舎を舞台にした物語です。旧校舎は幽霊の話が多いですが、このお話は片想い中の彼が屋上へ向かう理由について書いてあります。

 私は今日も正面にある旧校舎の屋上を見つめる。

あっいたいた。旧校舎って言うと幽霊とか連想しちゃうかも知れない。でも、私が見ているのは片想い中の彼。

 彼は授業中何かしらと理由をつけて時々屋上へ向かうんだ。きっとこれに気づいているのは私だけ。 なぜなら私の席は1番窓に近いから。それに生徒が少ないこの学校では、私の前後に誰の席でもない机と椅子が置いてある。

 そして隣が彼の席。彼の列も同じく誰もいない。だからみんなは見えないんじゃないかな。

 ちなみに校舎が使われなくなったのも人数の問題。

 そんなことを考えてしばらくすると知らない間に彼は帰ってきた。

 先生が心配してるけど彼はもちろん大丈夫。私、意外と好奇心旺盛でそれに負けて今日こそ聞いてみた。 

「なんでいつも屋上にいるの?」

「やっぱバレてた?あそこ景色良いし、姉さんのこと思い出すんだよね。」

 彼が言うには晴れの日にあそこへ向かうと綺麗な海が見えるらしい。彼のお姉さんは1年間だけ彼と中学生活を送っていたけれどある日怪我をして手が不自由になり、学校を転校してしまったらしい。旧校舎は去年まで使われていたからお姉さんはそこで生活していたそう。お姉さんは屋上から見える海が好きだったんだって。

「そうだったんだ。お姉さん、お大事にね。後気づいてる人多分私くらいだから安心して。先生なんて窓を見たことないんじゃないかな。」

「あははは!そんなことあるか?」

 彼と少し距離は縮まったかな?彼と二人だけの秘密ができて嬉しい。

 特別な人との秘密って嬉しかったり、緊張したり。よし。明日は私も一緒に行こうかな?

 あなたの学校には旧校舎がありますか?ありましたか?私は旧校舎もなく、屋上にも行ったことがなく、ずっとどんな場所か気になっていました。

 そしてもう一つ。秘密です。友達と、家族と、恋人と。秘密があると大事な人の大事な存在になった様に感じます。

 誰かの秘密を知ったらそれはあなたが特別という意味かも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ