第96話 話を終えて帰ってくるレオナルドとルーファス
そして、ソフィア達が賑やかに会話しているうちに、秘密の話とやらを終えたレオナルドとルーファスが戻って来た。迎賓館のホール内を歩く度に湧いてくる招待客の歓声に、ルーファスは軽く手を上げて応える。
「レオナルド様っ?」
ソフィアの前に、歩み寄るレオナルドとルーファス。目の前に現れたの皇太子の姿に、リタとマリーナ、リアラは礼儀正しくスカートの袖を少し上げ、頭を下げる。
───ご無沙汰しています、ルーファス皇太子様。お目にかかれて光栄でございます。
「うむ、苦しくない。皆よ、気を楽にして頭を上げると良い」
頭を下げる3人の公女らに、ルーファスは落ち着いた様子で挙手して言った。ルーファスの一言に、公女らは「イエス・マイ・プリンス」と、1列に返事して頭を上げる。
すると、ルーファスはソフィアに視線を向けて歩み寄り、クスっと笑みを浮かべる。そして彼女の顎をクイっと指先で持ち上げる。
「ただいま、ソフィアちゃん。君に早く会いたくて、話を終わらせてきちゃった………」
───いわゆる顎クイ………。ルーファスの口説き言葉に、リタとマリーナ、リアラの公女達は顔を赤くしてビックリし、黄色い歓声を響かせる。
「ルルルル………ルーファス皇太子様、そんな困りますっ」
ルーファスに顎クイされるソフィアは顔を赤くし、困惑して言葉を震わせる。
すると………ルーファスの頭頂部に、ゴンっと鈍い音を響かせる。響かせる音は、まるで鈍器で殴られたような音で、殴られたルーファスはしゃがみ込んで頭を押さえる。
「人の婚約者にお前は、油断もスキもないな………」
レオナルドは、ルーファスの頭頂部を殴った右拳をプルプルと震わせ、怒りの表情を浮かべる。
「親友よ、ナイスツッコミだっ」
ルーファスは陽気に親指を突き立て、ガッツポーズする。
「何がナイスツッコミだ………いい加減、その悪癖を直したらどうなんだ?」
レオナルドは腕を組み、鋭い視線を向ける。しかし、ルーファスはポリポリと頭を掻いて答える。
「いや〜〜〜………ソフィアちゃんの太陽のような明るい性格と、甘い囁きをしたらウブな反応を見せる所が可愛くてつい、困らせてしまうんだよ………」
悪気のカケラの無い様子のルーファスは、ニコッと笑いながら言った。ルーファスの言葉に、レオナルドは「おもしろいジョークだな?」と、恐い笑みで浮かべて睨みつける。
「その…………皇太子様とレオナルド様は、いったいどのような関係なのかしら?」
その光景に、困惑するリタとマリーナ、リアラの公女達。
「安心して、これはいつもの光景だから………」




