第89話 可哀想なソフィア
───ご馳走さまでした。
ペコリと頭を下げ、カフェを後にするソフィア。カフェで頂いた紅茶、ショコラは金額は少し高めだったが大変美味しく、ちなみに勘定はエマ(セシリー・ハイアームズ)に支払って貰った。そして振り返ってメインストリートを走って立ち去る。
やっぱり、エマさんは良い人だ。と、歩いている中、ソフィアは機嫌良く空を見上げ、思い浮かべる。色々と話をしてしまい、楽しかった。
「はい、さようなら…………」
走り去るソフィアを、手を振って見送るエマ(セシリー・ハイアームズ)。そして、人混みの中に消えるソフィアに、エマ(セシリー・ハイアームズ)は冷たい笑みを浮かべる。
「あの子、聞いてもないことをペラペラ喋るなんて…………バカね、アナタもそう思わないかしら?」
「はい、確かにソフィア様は少し、危機感は足りないかと思います」
エマ(セシリー・ハイアームズ)の後ろから姿を現したのは、つぶらな瞳と泣きホクロがチャームポイントの黒髪清楚のメイド。
するとエマ(セシリー・ハイアームズ)は「場所を移動しましょうか?」と、口を開き、裏通りの空き地に場所を移す。
「私、あの娘が領主夫人だって、アナタを通じてとっくに知っているのに、それを知らないで私にペラペラと伝えるなんて、何か可哀想ね」
皮肉に言う。
「そうですね、ソフィア様は可哀想です。助けて頂いたアナタが、レオナルド様を敵視しているフリオ・ハイアームズの娘ですから」
黒髪清楚のメイドは、礼儀正しい姿勢で言う。
「そうよ、レオナルドは父の怒りを買ってしまったわ。帝国の伝統や文化、宗教を破壊し、それだけなく長年、帝国がしなかった禁じ手、外国系の資本の受け入れをした。父だけでなく、他の貴族も怒っているわ。これは、帝国の為を救済でもあるのよ」
「はい、レオナルド様は帝国において崩壊の一手をしてしまいました。彼を領主から引き釣り降ろし、場合によれば………」
「いや、それは良いのだけど………もっと面白い手を考えているのよ」
エマ(セシリー・ハイアームズ)は企みある笑みを浮かべる。
「面白い手ですか?」と、黒髪清楚のメイド。
そして………エマ(セシリー・ハイアームズ)は黒髪清楚のメイドに説明するのである。内容は巧妙で狡猾な計画で、その説明を聞いた黒髪清楚のメイドは表情を崩さず、聞き入れており、彼女の計画を了解する。
「では、これからも頼みましたわよ」
エマ(セシリー・ハイアームズ)は上品に手を振り、立ち去るのである。
「はい、了解しました」と、黒髪清楚のメイドは頭を下げ、見送るのである。




