第87話 消えるスラム地区の人達
(マリアさんの豆スープ、美味しかったな………)
マリアさんの豆スープの味にソフィアは満足し、懐かしい舌鼓を打つ。
───昼休みを教会孤児院で過ごした後、ソフィアは視察を再開する。町中に至っては、外国系の資本を受け入れた事により、外国人の移民が増えており、空きになった建物や店舗には、外国の会社組織が入っている。
外国人の移民が増えたら、町の雰囲気はガラリと変わるのか。と、肌で実感する。ちなみにソフィアが任さた視察は、自身が関わりのある場所限定だけで、他はレオナルドが担当だ。理由はややこしい業務があるからだ。
★★★★★★
再びここに足を運ぶ事になるとはね………。と、ソフィアはスラム地区に足を運んでいた。場所は噴水の広場。
スラム地区の辺りを眺めソフィア、そこである違和感に気づく。
「減ったわね、スラム地区の人達が………」
あまり褒められた事ではないが、昔はスラム住人は沢山いた。さらに言い方は悪いが、朝から飲んだくれがいて、身なりがボロボロの子供がいて、色々とトラブルが多いが、みんなは力強く生きていた。
───しかし今では何故か減っている。
「あら、ソフィアちゃん?」
現れたのはロロナおばさん。
「こんにちは、ロロナさん」と、挨拶するそこで。
「今日も領主様の所でアルバイトかい?」
「はい、そうです………。その、スラム地区の人、減りましたね」
「そうね、レオナルド様が外国人やらを受け入れて、それからだったわね………」
「ふむふむ」
ロロナおばさんに話を聞くと、何やら身なりの良いスーツを着た外国人風の男性が、仕事を斡旋してあげるとスラム地区の住人に達次々と接触したとの話だ。恐らく、元いたスラムの住民は仕事で収入がアップし、ここを離れた。今ではロロナおばさんが1人、住んでいる状況だ。
スラム地区から人がいなくなる…………それは良い事だ。しかし、何処か違和感を感じる…………。と、ソフィアは考える。
「どうしたんだい、ソフィアちゃん?」
「いや…………何でないわ。それじゃ」
「じゃあね、ソフィアちゃんも身体に気を付けて」
ロロナおばさんに手を振られ、スラム地区の視察を終え、ソフィアは立ち去る。
───ソフィアはメインストリートを歩いていた。空き家だった建物には外国風の店が並び、そして道中には共和国、王国といった外国系の移民が行き交い、この前までては違う独特な雰囲気に包まれている。
「ねぇ?あなた?」
「はい?」
後ろから女性の声反応し、ソフィアは振り向く。
「久しぶりね?ソフィアさん…………私の事を覚えているかしら?」




