第86話 里親家族に次々と引き取られる子供達
その後、世間的程度でシスター・マリアから話を聞いてみたら、このところ孤児が里親に引き取られる事が多くなったのは、外国系の資本を受け入れた時からだ。孤児が里親に引き取られる、それは良いだ。里親の方も気立てもよく、引き取られた子供もすぐに懐いて巣立っていく。
しかし、両親のいるソフィアは孤児院は私にとっては遊び場であり、勉強をする学び舎である。
そして…………場所は教会の食堂に移動し、シスター・マリアは寸胴鍋に入ったお手製の豆スープをお玉で掬い上げ、1人ずつ1人ずつ列に並ぶ子供に、皿に盛付けて配膳する。シスター・マリアの豆スープの特徴は、ビーフミンチとトマト、香辛料で豆を煮込んだとろみのある豆料理で、その味は容赦のない程の肉々しい味であるが子供向きで、とても懐かしくて美味しい。
全ての子供達に料理を配膳し終え、テーブル席に腰掛け、静かにする。
───いただきまぁ~〜〜す
「いただきまぁ〜〜〜すっ」
教会孤児院にあるテーブルにて、子供達とソフィアも手を合わせる。昼ご飯の時間であり、メニューはパンとサラダ、マリアお手製であるトマトとミートで煮込んだ豆スープ。
「うん、やっぱりマリアさんの豆スープは美味いっ」
モグモグと咀嚼し、ほっぺを丸くして豆スープを食べるソフィア。
「何でソフィアもいるんだよ?」
隣のわんぱくの少年は言う。
「良いじゃない。御昼休み、御昼休み、それとアンタ、年下なんだからしっかり食べて、大きくなりなさい」
ソフィアはパンと豆スープを、隣のわんぱくな少年に分け与える。それにより、少年は「ラッキー」と言って喜び、もぐもぐと食べる。
ソフィアはモグモグと豆スープを食べる少年を眺める…………。髪は黒髪で、上は半袖のシャツにズボン。名前はカトル・ウィルで6歳だ。わんぱく少年で孤児院のムードメーカーの1人であり、この子が3歳の頃に両親が蒸発し、身寄りが無い為、孤児院に引き取られた。ちなみにこの子、マリアさんから授業の後に聞いた話だが、新しい里親が決まっており、その里親が後日、引き取りに来る予定だ。
すると、ソフィアは口を開く。
「カトル…………」
「何だよ?」
ソフィアの呼び声に、豆スープを食べているカトルはスプーンの手を止め、振り向く。
すると、ソフィアはカトルの頭をくしゃくしゃと優しく掴み上げる。
「何だよソフィア、やめろよ」と、恥ずかしがるカトル。
「頑張りなさい。ここを離れても、新しい家族を大事にしなさいよ」
ソフィアは言った。カトルは少しやんちゃだが、初めの頃はこころを開くのに苦労した。




