第83話 トラブルが増えたノースゲイル
───アーネストに婚約を認められて1週間後。
ノースゲイルの町は活気に満ちていた。レオナルドによる外国系資本の受け入れにより、帝国系の店舗だけでなく外国系の会社組織も増え、同時に雇用も増えた。これにより新たな課税である法人税も導入され、さらに税収が増え、レオナルドによる福祉政策にさらに拍車が掛かる。
外国系の移民も増え、町の人口も増加する。外国系の資本が進出して来た事により、町の景観は多様性ある雰囲気となり、帝国の伝統が崩壊される危惧もされている。
そして………高級感ある建物が並ぶメインストリートにある裏路地。陽も当たらず、地面にはゴミが散乱し、華をツンとした匂いが充満し、そのゴミを目当てに、配管から顔を覗かせたネズミが漁るサイクルを繰り返している。
裏路地にある空き家にて。数は6名、外国系のならず者の人々がテーブルにあるアタッシュケースの中身とにらめっこしていた。
「共和国制のクスリだ、まずは貴族を取引相手に考えている」
男1人は、アタッシュケースの中にある白い粉袋を取り出し、主張する。
「そうだな、頭の固い貴族は刺激を求めてしまうからな…………期待は出来るな」
2人目の男は言った。
「帝国と言うのは、外国人の受け入れは消息的だが、このノースゲイルの町は別だ」
「だな、ここの領主が、貧民層の福祉政策の財源を賄う為に外国系の資本を受け入れ、法人税と言う新たな課税を作る為らしいな?」
「だけど、バカな領主だよな?外国人を受け入れたら、俺等みたいな非合法な商売をする者が増えるなんて、考えていなかったかもな」
「ゆくゆくは、人を誘拐して奴隷船に売るのもアリかな」
他の人々は暗い部屋の中、ケラケラと笑い挙げる。
───すると、部屋のドアがドンッ蹴破られる。
「帝国騎士隊だ、違法薬物の密輸と所持により、お前達を拘束するっ」
入って来たのはレオナルド。
「くそ、どうしてここが?」
ならず者達は、武器を構えようと戦闘体勢。しかし………。
そして流れるように、白銀の甲冑を装備した10名の騎士達が迅速の速さで次々とならず者を制圧した。逃さず、攻撃する隙、考える猶予さえ与えず、白羽の刃による斬撃が、室内を響かせる。
★★★★★★
制圧後、拘束されるならず者達は、メインストリートに待機している護送馬車に乗せられ、走り去っていく。
「やれやれ、このところこのような事件が多いな」
レオナルドは溜め息。外国系の資本を受け入れたら、今回のような取締りが頻繁した。先程のような薬物や盗品の芸術品、捕獲禁止の小型モンスター等といった絡みが多い。




