第79話 決着
(この俺が…………まさかあいつに応援されるとはな…………)
レオナルドは思わず、微笑むのである。しかし、彼女《|ソフィア》の応援に、臆していた心が晴れた気分になった。
「ふん、婚約者に応援されて嬉しかったのか?いい身分だな…………」
つばぜり合い中のアーネストはロングソードをグイッと押し立て、レオナルドに圧力を発揮する。
「はい、そうですよ」
レオナルドはハッキリと答えた。ソフィアの応援に、落ち着いた表情と、何処な力が増したようにさらにグイッとロングソードを押し返し、アーネストを後退させる。
「レオナルド、お前は…………」
レオナルドの気合いに、アーネストは驚愕する。
「私は、おそらく恐がっていた。幼少の頃から、今日まで、アナタと言う人間を…………しかし、彼女の声に目が覚めました。私は1人ではないと…………」
「いきがりよって、お前は俺の言うことを聞いておればよいのだっ!!」
レオナルドの言葉が癇に障り、アーネストは額から汗を飛ばし、激昂してロングソードを突き立てる。
「それは出来ません。何故なら私には、婚約者がいるのですから…………」
レオナルドは主張し、ロングソードを片手で構える。
「認めぬっ、平民の娘なんぞ俺は認めぬぞっ!!」
アーネストは駆ける。そして中間距離でロングソードを振るうのである。
恐れを克服した事により、研ぎ澄ませた感覚。アーネストの剣技を、レオナルドは一つ一つ見切り、回避していく。同時に主張する。
「私は彼女《|ソフィア》に、どんな貧乏でもひたむきに前向きで、そして誰とでも仲良くなれる太陽のような性格に、私は心を奪われたんだ」
───えっ?何を言っているの?
レオナルドの言葉に両手で頬を押さえ、思わずソフィアはドキッとなる。
レオナルドはロングソードを振り上げ、アーネストのロングソードを弾き飛ばした。
「あなたは言いました。剣の決闘において、冷静を欠かしてはならないと………それに陥った事により、アナタの負けです」
レオナルドはロングソードを突き立て、勝利を宣言する。ロングソードを突き立てたれたアーネストは額から汗、そして悔しい表情を浮かべる。
ピリっとした雰囲気が張り詰める………。
「…………私の負けだ。お前達の婚約を認めよう」
アーネストは重い口を開いた。
「レオっ!!」と、勝利したレオナルドに、ソフィアは駆け寄る。
「お見事です、レオナルド様」
アスランも駆け寄る。そしてパチパチと拍手し、両者の激闘を祝福する。
「ありがとう、君の応援に感謝する」
レオナルドはソフィアの頭を撫で、応援してくれた事に感謝する。




