第78話 ソフィアの応援
───手合わせの途中、レオナルドはそんな記憶を巡らせていた。父上と同じように政策を目指していたあの頃の自分は本当に無知で、初めは領民からは、親の七光り等と批判され、色々と折れそうになっていた。領主室にて、悩んだ………俺は何がしたいんだ?自分が領主として何をするべきか?………。
ある日、俺は町の視察に訪れ、とある地区に目に入った。そこがスラム地区、その光景を見て、俺は唖然した。
それは今日生きるのに精一杯で、治るケガや病気により、重篤化したり下手すれば命を落としたりする大人や子供もいる。
───何を考えていたんだ俺は、ここにいる人達を救えないで、何がノースゲイルの領主だ………。
レオナルドはこの光景、あとは父上の隠し事に怒りで拳を握り締め、早速取り掛かるのだった。必要なのは救済、まずは井戸を建設し、貧民層の医療費免除やさらに様々な福祉政策を実施する為、増税を強行した。それにより未納税をする者もいた。そんな時は直々に訪れ、強制徴収したりした。
付いたあだ名は、鬼畜領主。
とある日、孤児院の炊き出しの時に彼女《|ソフィア》と出会った。大勢の子供達に囲まれ、親しげに笑っている彼女《|ソフィア》の姿に。
───そんな記憶を思い出していた。
「さっきまで威勢はどうした?」
アーネストはロングソードをレオナルドに何度も叩きつける。
「ぐっ…………」
ロングソードを振るい、父《|アーネスト》の剣技を受け流す。火花が散り、レオナルドの額から汗が飛び散る。
重く、早い、アーネストの剣技は年齢を重ねてもなお、磨きが掛かっている。
「お前は、俺を侮っていたな?年を重ねていたら、剣術で勝てると?…………それは間違いだっ!!」
(レオナルド…………)
ソフィアは、サンタクルス親子の戦いを見守る。しかし状況ではレオナルドが劣勢であり、このままでは負けてしまう。
つばぜり合いに入る両者。アーネスト威圧がレオナルドに、ズシッとのし掛かる。
───こんなレオナルドは見たことがない…………彼は鬼畜領主と呼ばれていて、未納税の人間には鬼のように取り立てる。貧困層にや平民達には優しくて…………いきなり婚約させられたけど、彼の本質を知って…………。
レオナルドの過去を、優しさを知り、ソフィアは思い切り、息を吸い込む。
「頑張れっ!!レオォォォォォォっ!!」
ソフィアは思い切り、彼の名前を叫ぶ。
(ソフィア…………あいつ)
いきなりのソフィアの応援に、つばぜり合い中のレオナルドは思わず驚愕する。
「負けるなレオっ!!頑張れ、レオっ!!」




