第67話 デートの後
───ソフィアとのデートを終えて夜を迎え、領主室にてレオナルドは椅子に腰掛け、リラックスしていた。天井に吊るされるシャンデリアを眺め、緊張を解すようにため息を吐く。
そして口を開いて独り言を呟くのである。
「まさか………あいつにあんなを言われるとはな」
レオナルドはボソっと言う。ちなみに自分、貴族ではあるが女性とのデートは初めてだ。これまで女性との出会いにはチャンスはあったが、自分の性格は平民寄り、どの相手もお嬢様気質な性格が多く、どうしても性格の不一致が邪魔してしまうからだ。
そして、デートにてソフィアが言っていた事を思い出す。
───市民の事を考え、困っている人を助けるのは領主として当然だし、自身のやっている事を蔑ろにするのはアナタの母親にも失礼だと思うよ。
ソフィアの言葉を思い返し、レオナルドは手の平をじぃ~と眺める。
「…………今まで領主活動していて、周りの貴族達には異端児として批判され、自身の行いに不安を抱いていた………つくづく自身の意志の弱さを実感するよ」
その異端児な領主活動が原因で、社交パーティーに参加しても貴族の女性との相性は悪くなり、相手されない。
さらに…………レオナルドは思い浮かべる。
───何でなんだよっ
それは少年期、年齢は10歳くらい。 レオナルドは相手に食って掛かる。
───分かりたくないね、お前の言っている事は貴族らしくないからだ。貴族と言うのは伝統、文化、品格を守り、そして領地に住む平民を支配する立場だっ。
と、主張する。相手は貴族のグループのリーダー各、侯爵貴族の子息だ。言い争いになっている原因、小等学校にて貴族同士の思想観の対立だ。
───その支配する思想と言うのがおかしい、町に住む民がいて自分達がいる。民が困れば、貴族である自分達が手を差し伸べて助ける。それが貴族の本来あるべき姿じゃないか?
幼少のレオナルドは、侯爵貴族の子息の胸ぐらを掴む。
───お前、侯爵貴族の息子に何て事をしやがるっ!!
侯爵貴族の息子は、胸ぐらを掴まれた事により、激怒。何故なら貴族社会はバチバチの縦社会、下級貴族が上級貴族に逆らうのは御法度だ。
そんな事はお構い無しに、取っ組み合いになるレオナルド。状況は3対1、止めに入ろうとする侯爵貴族の息子の取り巻き2人は加勢し、レオナルドの相手になるのである。
(そんな事、あったな…………あの後、ボコボコされた後、その侯爵貴族を通じて父上に報告されて、それで張り倒されたっけ…………)
レオナルドにとって、思い出したくない記憶が、甦る。




