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第62話 母との思い出



───地面は石畳、舗装されたチューリップ畑の道を3人は歩く。蒼天の青い空、温暖な気候、ヒラヒラと舞う蝶々にそして、周囲にはピンクのチューリップが広がり、まるで違う世界にいるような風景である。


 ソフィアはしゃがみ込み、チューリップをじぃ~と眺める。そして振り向いてレオナルドを見て言う。


「チューリップの花言葉って知っている?」


「当たり前だ。全体的な花言葉は博愛、思いやり、愛の告白だ………。あと、本数によって………」


「いや、それはまた今度で良いかなぁ〜〜〜」


 レオナルドの語りに、ソフィアは止める。何故なら長くなるから………。


「うむ、そうか」


 花言葉を語れない残念がるレオナルド。


「さて、とりあえず歩きましょ〜〜〜」


 先頭はソフィア、その後を2人は付いていく。



───しばらく歩けば歩くほど、辺りに広がる花景色。ピンク色、白色、黄色や紫色といったチューリップが、あとは赤いアネモネと紫色のネモフィラ等も同規模に咲き誇っている。


「アネモネとネモフィラか………」


 レオナルドは目に映る赤いアネモネ、紫のネモフィラの花景色を眺め、思い返す。

 

 当時、幼少のレオナルドは生前の母、グレースと花園を歩いて回っていた。純白の帽子に赤髪のロングヘアーと黒い瞳、目の下には泣きぼくろ。純白のドレスを着た20代後半の領主夫人である。


 ───ははうえ、この花は?


 ───アネモネよ

  

 ───じゃ、この花は?  


 ───それはネモフィラよ

   

 ───何か、色は違うけど似ていねぇ〜〜〜


 ───そうね、そっくりね?………でもね、この2本の花にはちゃんとした花言葉があるのよ


 ───はなことば?


 ───花言葉は、私達のような人間でも心があるように、花にもそれぞれ特徴や意味、個性があるの、それが花言葉よ………ちなみにこの紫のアネモネなんだけど、花言葉は君を愛している、告白、アナタが大きくなって、婚約者に渡すと良いわね


 ───ぼくにこいびとに?


 ───ちょっと早いかもね………あと、紫のネモフィラは荘厳や愛国心を意味を持った花言葉ね、ちょっとお父様に似ているわよね?


 ───ぼくは父上は苦手だ。ぼくにいつもあーしろ、こーしろ、帝国の貴族として口出ししてきて、だから紫のネモフィラは好きになれない


 レオナルドは言った。そんな母は優しくも、厳しい様子で言う。


 ───レオ、そんな事を言ってはダメよ。お父様は普段は厳しいけど、あなたを誰よりも思っているねよ

 

 母のグレースは、幼少のレオナルドの頭を優しく撫で、ニコッと表情を浮かべて父親の威厳を言い聞かせる。

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