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第60話 広大なチューリップ畑




───ノースゲイルの町から馬車で向かうと1時間の距離に、彼《|レオナルド》のお気に入りの場所がある。


「よいしょっ」


 ソフィアはあざとらしい声で、馬車から降りた。そして、馬車から降りる残りの2人、場所は花園前の馬車駐留場。そこから一直線に伸びる道、辺りに広がるのは麦畑による田園風景。


「うわぁ~~~~」


 麦畑の景色に、目を輝かせて眺めるソフィア。何故なら町の外に出るのは初めてであり、このような圧巻な景色は前世でも見たことない。

 

 何故なら前世にて、酷いことに家族旅行は私は置いてきぼりだった為、どこにも行った事がない。いつも家族旅行は父親と母親、妹だけであり、旅行に行く時はいつも3人は私がプレハブ小屋で寝ていたら出かけていた決まりだ。


 そんな前世、しかし、ソフィアは一直線に前を見つめる。


「ま、昔は昔、今は今だよ…………」


 ソフィアはそう言い聞かせ、突っ走る。前世を乗り越えるように。


「そんなに走るな、お前は子供か?」


 レオナルドは言う。


「クスクス、ソフィア様は元気が有り余っているようで…………」


 ミランダは笑う。


 彼女《|ソフィア》は走る、何故なら広い景色を見ていると走りたくなるのが性分だ…………。


 しばらく走っていると、ソフィアは立ち止まる。目の前の景色に驚き、彼女はハっと息を呑む。


───そこに映るのは壮大な花畑である。品種はピンク色のチューリップ。温暖な季節に風、そしてゆらゆらと揺らせる波風。


「レオナルド、ミランダ、早く来てぇ~~~っ!!」


 振り向き、手を振るソフィア。


「まったく…………もっと静かに見れないのか?」


 レオナルドは少し呆れながら言う。


「だって…………あまりにも凄い景色なんだよ。見てよ2人共、早く来てよ」


 ソフィアの言葉に、2人は微笑みながら近づく。


「ほぅ…………こいつは凄い景色だな?」


 レオナルドは言う。目の前に広がるチューリップ畑の景色に。


「でしょ?凄いチューリップの畑でしょ?私、こんなの初めて見たよ」


「そうか、お前は初めてだな?…………俺は二度目だな」


「えっ?レオナルドは来た事あるの?」


 ソフィアは尋ねる。


「二度目といって、小さい頃だけどな…………その時は、母上と来ていた以来だ」


「レオナルドの…………母様と?」


「そうだ。ここは、母親のお気に入りでな…………母は花が好きで、特にチューリップが好きだった。色々な花を知っていて、花言葉をよく知っていし、その影響で俺も花が好きになって、花に対しての奥深さを、面白さを、楽しさを、全て母から知ったよ」


「そうなんだ、何か優しそうな方ね?」


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