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第54話 情熱的な演奏曲を選ぶルーファス




 観覧スペースにて、赤いドレスのリタ、青のドレス、黄色のドレスを着た3人娘は並び、ルーファス皇太子とのダンスをしているソフィアを、恨めしい様子で眺めていた。


 ───どうして?………何故、私ではなくてあの娘が皇太子のダンス相手に?


 リタは唖然していた。皇太子とダンスしている新参者の小娘に、気楽に絡んだソフィアに。


 ───それに、レオナルド様の婚約者だって聞きましたわ?


 ───あんな小娘が………理解出来ませんわっ


 青色、黄色のドレスの娘の2人は悔しい表情を浮かべ、拳を握り締める。


 信号機の娘達はただただ………嫉妬深く眺める。何故ならルーファス皇太子とのダンスは、貴族公女にとっては大変に名誉な事である。それを何処の馬の骨かも分からない小娘が引き受けたので、理解できない。皇太子のダンス相手になる事は、将来的には皇族の婚約者候補にもなる。


 観覧スペースから放たれる信号機の娘らによる空間を歪ませる程の紫の炎のオーラ。


(何か、観覧席から殺気が………)


 信号機の娘による嫉妬から来る殺気に、ダンスしているソフィアは思わずブルっ震わせる。


 するとルーファス、クスっと微笑みかける。

 

(さて………もうワンテンポ、上げてみようか?)


(えっ?)


 ルーファスの言葉に、演奏隊の音色が一気に変化する。霜が充満させた朝の森林のような落ち着いた音色から低い音色が掛かったバイオリンの音色と、力強さと速い流れが入り交じったクラリネットの音色により、情熱的な曲と化して流れる。


 ───またアイツ、勝手にダンスの曲を変えやがったな………しかし、よりによってこの演奏曲にするとは、ソフィアを試そうとしているな?


 観覧スペースにて、レオナルドは見守る。ちなみに流れている演奏曲は|Waltz.of.Beast《猛獣のワルツ》。猛獣のように荒々しい音色と、激しい足捌きと腰使いが特徴のダンス曲だ。しかし社交ダンスの初心者には難しく、上級者でもあまりにも激しい動きにより転倒してしまう人がたまにいる。


(ちょっと………ルーファスさまぁ?)


 ルーファスによる激しい足捌きに、振り回されながらも付いていくソフィア。


(さて、この曲に君は付いてこれるかな?)


 そう言うと、ルーファスはソフィアの腰に手を回し、激しい足捌きで彼女をリードする。ちなみにルーファス皇太子、ダンス技術に至っては帝国では指折りの実力があり、この演奏曲ですら楽々にダンスを発揮する事が出来る。


 ───あら、この曲が流れるなんて………あの娘も可愛そうね


  赤いドレスのリタ、青色と黄色のドレスの娘共は合わせてクスクスと笑う。



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