表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/105

第53話 日頃の練習による賜物




「只今より、このルーファス・ド・アルゼイドが、本日、社交パーティーにデビュタントしたての彼女と、ダンスを披露したいと思います」


 ソフィアの手を繋いだルーファスは、観覧スペースにいる招待客達に、ビシッと宣言する。


 ───まったく、アイツのサプライズ好きは変わらないな………とりあえず練習の成果を見せてもらおうか………。


 腕を組み、婚約者をルーファスに連れて行かれ、複雑な様子でレオナルドは観覧スペースから見守る。ちなみにエキシビションのダンスは予定にはなく、皇太子が独断で決行したのだ。


「なお、彼女は僕の親友であるレオナルド・サンタクルスの婚約者、ソフィア・サンタクルス領主夫人である。社交ダンスにて、誰も誘われない彼女に私個人がこうしてエキシビションを開いて、このパーティーの為に特訓してきた彼女のダンスを皆様に披露したい模様です」



 ───レオナルド様の婚約者だってっ


 ───婚約者にしては、ずいぶんと若い娘だな?


 ───年は10代後半くらいか?


 観覧スペースから、ザワザワと降り掛かる招待客の声。

 

 彼女は極度の緊張で爆発寸前である。観覧スペースから一斉に差し込んでくる周囲の視線、そして招待客が引き上げたダンスホールには、ルーファス皇太子に手を繋がれるソフィア。


(もう………ルーファス様、余計な事ばっかり………めちゃくちゃ周り、見てる………)


 もう、涙が出ちゃう………。と、差し込んでくる周囲の視線により、ソフィアは恥ずかしさと緊張が混ざり合って顔が赤くなる。


 レオナルドはふと横顔を向け、緊張事態のソフィアに、微笑みかける。


(大丈夫だよ、僕がリードしてあげる。君は安心して、僕に身を預けて)


 ルーファスの囁きに、ソフィアは安心する。


「さて、景気の良い演奏をいこうか?」


 ルーファスは手を挙げ、合図を出す。皇太子の合図に、演奏隊は一斉に楽器を構えてスタンバイ。


───そして、演奏隊による音色がホールに響き渡り、2人はダンスを開始。まず初めに、奏でられるのは落ち着いたバイオリンの音色、流れるクラシックの音色を例えるなら霜が漂い、あらゆる動物達が一斉活動を始める朝の森林だ。


 2人は手を取り合い、落ち着いた足捌きでダンスを披露する。


(そう、その調子だよ、けっこう上手いじゃないか?………)


 ルーファスは冷静に微笑み、ソフィアのダンス技術を褒め讃える。


(そ、そうですか?………)


 額から汗を流し、自身のデビュタントとルーファスに見つめられる緊張感に襲われるが、ソフィアは頷く。今、ダンスホールにいるのはソフィアとレオナルドだけだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 これは、王子様願望を持つ女性に刺さる展開!  でも、誰にも誘われない彼女とか堂々と言ってしまうあたりがぶっ飛んでいていいですね。  続きを楽しみにします。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ