第49話 親友にしか分からない癖
「誰かと話をしていたのか?」
レオナルドは尋ねる。
「うん…………エマって言う女性で、ちょっと質の悪い招待客に絡まれていた所を助けてくれたんです」
ソフィアの言葉にルーファスは少し考え、そして思い出し…………ソフィアに問う。
「もしかして…………銀髪のロングヘアーを生やした…………女性とか?」
「え、何で分かったんですか?そうですよ、綺麗な銀髪を生やした女性です、私よりは少し年上みたいでした」
ルーファスの的確な答えに、思わずビックリのソフィアである。まるでエスパー、私の心の中を読んでいるみたいだ。
するとレオナルドは言う。
「お前に、銀髪ヘアーでエマと言う名前の女性と、何か知り合いか?」
レオナルドの質問に、ルーファスは瞬きを1回、2回、3回して答える。
「いや…………僕はただ、銀髪の女性なんじゃないかと、適当に質問しただけだよ。確かに僕は、銀髪の女の子と遊んだ事はあるけど、エマと言う名前の子じゃなかったよ」
「何だぁ~~~…………でも、また会える気がします彼女に、何となく」
ルーファスによる適当かつ期待はずれの答え、まして過去に遊んだ女性だと知り、ため息を吐いて肩を落として残念な様子のソフィアである。
するとレオナルドは察する。
───ルーファス…………お前、やっぱり見覚えがあるんだな?
視線を反らし、肩を落としているソフィアに悟られないように、レオナルドはヒソヒソと小さい言葉で尋ねる。
(おや、どうして分かったんだい?)
(瞬きだ…………何処か見覚えのある時は、3回は瞬きをする癖がある。学生時代はそれでよく振り回されたし、同時に救われたもんだよ)
レオナルドは皮肉めいた言葉で囁く。何故なら彼は皇族でありながら、女性遊びが好きなプレイボーイ。しかし、遊んだ女性とはよく関係を作ってゴタゴタに発展し、嘘を孕ませた巧みな言葉を見切れるのは、親友関係であるレオナルドしか知らない。
(さすが…………僕が嘘や隠し事してもすぐに分かる察知力。それでこそ僕の親友だよ)
(あまり嬉しくないのだが…………ま、それのお陰で学生時代では対立していた貴族生徒達に牽制できたがな…………)
腕を組み、色々と思い出すレオナルド。例えば敵対していたとある貴族生徒達が彼に対し、部費と授業料、学食費の着服といった濡れ衣を着せようとした時、ルーファスは貴族生徒達にこう言った。
───学校における全ての費用は、住民税と皇族の資金で賄っている。と、3回瞬きをして主張してやった。もちろん嘘だが、立場が圧倒的な皇族の主張に、貴族生徒は本気にした。




