第48話 いなくなるエマ
───信号機…………いや、赤黄青の娘達が立ち去り、平和が訪れたソフィア。全身の気がドッと抜けてしまい、ため息を吐くのである。
会場にある客席に、2人は座る。
「大丈夫、あなた?」
銀髪ロングヘアーの女性は、ソフィアの肩をぽんっと押さえて尋ねる。その口調は年上の威厳であり、優しい雰囲気を漂わせている。
女性の落ち着いた雰囲気に安心し、ソフィアは体勢を整える。
「あまり気にしないでね、あの娘達は顔を知らないデビュタントの子を見つけて、公爵貴族の知り合いと言う看板にして、優位に立たせているだけよ」
銀髪ロングヘアーの女性は落ち着いた口調で言った。
「その…………あなたは?」
ソフィアは尋ねる。銀髪ロングヘアーの女性は、少しだけ間を空いて答える。
「私は…………エマ・クロフォード。男爵家の娘よ、よろしくね。アナタは?」
「ソフィアです…………」
ソフィアは答えた。旧姓かサンタクルスを名乗ればよいか分からないから、ただ名前だけを言う。
「アナタも社交パーティーは初めてかしら?」
「はい…………」
「そう」
「エマさんは?」
「エマでいいよ…………私は、3回くらい。ほとんど父と一緒だけどね…………」
銀髪ロングの女性、エマは言った。彼女はソフィアをジロジロと眺める。
「え~~と…………なに?」
ジロジロ見られて恥ずかしく、顔を赤くして困惑するソフィア。エマは立ち上がり、何か思いついたようにニコッと笑いを浮かべて彼女の顔に近づく。
「気に入った、私もアナタの事をソフィアと呼んでもいい?」
「…………い、良いけど」
顔が近い事に困るソフィアは、苦笑いを浮かべて頷く。前世にて、私は出来の良い妹はいたけど姉はいない。この世界に転生しても妹がいたが、両親と供に飛ばれた。エマと話していて、感覚は先輩、お姉ちゃんだ。
───ソフィアっ
するとソフィアの元に、戻って来たレオナルドとルーファス皇太子。戻って来た2人に思わずソフィアは立ち上がる。
「2人共、いきなり離れるなんて………私、怖かったんだからっ」
戻って来た2人に、ソフィアはムスっとなる。
「ごめんね、ちょっと親友と大事な話があったんだ。何ならお詫びとして、ダンス相手をしてあげようか?」
「えっ?ダンス相手に?」
ルーファス皇太子によるダンスの誘いに、ソフィアは困惑してしまう。
「おい?」と、レオナルドは圧を出し、憤る。
「………あれ?」
振り向くと、エマは忽然と姿を消していた。
「どうした?」
「いや………何処に行ったのかしら?」
ソフィアは辺りをキョロキョロと会場の中を見回し、エマを探すが彼女の姿はいない。




