第45話 公爵貴族に敵に回す鬼畜領主様
───場所は会場の客室、人がいない事を確認して中に入る。室内はテーブルにソファ、床はフワッとした絨毯。あと、戸棚にはワインや茶菓子等が陳列されている。
「可愛らしい娘だったねぇ〜〜〜?平民身溢れている所とか、あどけない所、そして君と同じでピュアな所とか………」
「もう良い、それより本題に入るぞ」
ルーファスの言葉を一蹴し、レオナルドはソフィアに腰掛ける。
「う〜ん、場を和ませるつもりで言ったんだけど………ま、僕がこのパーティーに参加する理由は、君以外は知らないようだね?」
「表向きは、俺の友人として招待した。だが、例の情報が分かったなら参加する、分からなければ辞退するって話だ………参加したって言う事は、何か分かったようだな?」
レオナルドは尋ねる。するとルーファスはソフィアに腰掛け、これまでの様子と一変し、真剣なレオナルドに視線を向ける。
「………フリオ・ハイアームズ公爵、彼が君の事に怒りを見せている」
「ハイアームズ公爵?………確か、帝国中部地域を統括している伝統保守派の貴族だったか、どうしてその方が俺に怒っている?」
と、ルーファスに尋ねる。するとルーファスは応える。
「何やら、この町に住んでいる彼の友人である富裕層の町民が、君に法外な納税額を不当に差し押さえられたと、公爵の耳に入ってね………それで君を敵視している。君は何か心当たりあるかい?」
ルーファスは質問、しかしレオナルドは腕を組み、当然のように答える。
「俺はただ、町で不当に未納税をしている奴に差し押さえをしたまでだ。その数はこれまで食べたパンくらいはある、つまり覚えていない」
キッパリとした答えに、ルーファスは呆れたようにため息を吐く。
「君は何というか…………命知らずだね?帝国の大貴族を怒らせたのだから…………今から俺が何とか口利きして、公爵殿の怒りを静めるかもしれない。けど、そうなれば君がこれまでしている政策は…………」
「嫌だね。相手が誰であろうが、俺は俺の政策で民を導き、強き者は弱き者を助ける。これは誰にも譲れんっ」
レオナルドは言った。公爵の怒りを静める代償として、自身の政策が消えるのは許せない。
「くっ…………ハハハハハっ!!やっぱり君はおもしろいっ!!それでこそ僕の親友だっ!!学生時代から君は変わらない、貴族でありながらいつも無鉄砲で無謀で、庶民的で変り者なところとか…………」
レオナルドの断固たる決意に、ルーファスは笑い出すのである。学生時代、彼がどんな不遇な立場でも己を曲げず、貫く姿勢がかっこ良いからだ。




