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第44話 席を外す2人




「いたたたた…………親友よ、冗談じゃないかぁ~~~」


 自身の婚約者に言い寄った事に、レオナルドにげんこつされ、脳に響くような痛みに頭頂部を押さえるルーファス。


「冗談でも、やって良いこと悪いことあるぞ。お前、学生時代は貴族相手の女性遍歴を指摘されて皇帝陛下に大目玉を喰らったって、忘れたのか?」


 レオナルドは怒り、表情を険しくさせて言うのである。するとルーファスは昔話を語る。


「良いじゃないか、昔のことは…………ただ、お気に入りの女の子を口説いて遊んでいたら、たくさん友達になって、人気者になっただけじゃない?」


 ルーファスは大笑いを上げる。


 ソフィアは、ルーファスの言葉に絶句する。つまり彼は、女性関係にはだらしなく女漁りを繰り返すゲスである。しかし彼は言う。


「でも…………君の事は手を出さないであげる。何より親友の婚約者だからね…………」


 ルーファスの口説き文句に、手を出されないと安心したソフィアはホッとひと安心し、胸を撫で下ろす。しかし………。


「でも、もしレオナルドに捨てられたりしたら、僕を訪ねるといい。喜んで、君を僕の…………」


「いい加減に、しろっ」


 レオナルドはルーファスに、凄まじい圧をかける。


「う~ん、それ、それっ」


 レオナルドの圧に、待っていたかのようにルーファスは快感する笑いを浮かべる。するとレオナルドはふざけるルーファスに、ある事を尋ねる。


「それより、何だが…………ルーファスよ、お前がこのパーティーに出席していることは、ある程度、分かったんだな?」


「ああ、少し席を外そうか?ダンスパーティーには、まだ時間があるみたいだしね…………」


 ルーファスは分かっていたかのように、真剣な表情になる。


「そうだな、空いた客室がある。そこに向かおう」


 と、レオナルドは提案する。


「すまないソフィア、少し離れる」


「バイバァ〜〜〜イ、また戻ってくるからねぇ〜〜〜」と、ルーファスは手を振る。


 2人は、ソフィアの前から離れ、会場内にある空きの客室に向かうのである。


「ちょっと、2人共?」


 ソフィアは思わず手を伸ばすが、2人はソフィアを他所に、何処かに行ってしまうのである。


(ど、どうしよう…………)


 ソフィアはパニック。エスコートのレオナルドがいなくなり、あたふたする。ここは国際規模の社交パーティー、今の状況を例えたら危険なモンスターが徘徊している密林に放り込まれたものだ。会場にいるのは、外国の権力者や帝国貴族。先ほどまでいち平民だった私に、何を話せばよいか、どう接してよいか分からない。


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