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第41話 社交会デビューのソフィア




───その3日後…………。とうとう社交パーティーの日が訪れるのである。時刻は星空が輝いた夜、場所はノースゲイルの東区にある迎賓館。領主館から馬車で走らせば数分の距離だ。


 迎賓館の正面入口にて、招待客が次々と来場されていく。西からは王国人の帝国大使官、北は共和国系の外交官といった外国の権力者、そして帝国貴族や富裕層の方々などが各方面から集まっている。


 なお、迎賓館の周囲は帝国軍警備隊による護衛体制が敷かれており、治安維持は欠かせない。異常事態が発生し、外国の要人に危害が及べば国際問題は免れない。その為、招待客の中に怪しい者がいれば拘束の措置を採用している。



 ★★★★★★


 国際規模の招待会により、清潔にも力が入っている。会場は鏡のように光る琥珀色の床、演奏団がクラシックな曲を演奏し、雰囲気を紡ぎ出す。


 会場は大勢の招待客で賑わっていた。帝国の一流シェフによるビュッフェが運ばれ、高級感ある料理やスイーツが並んでいる。


 ───会場に足を踏み入れたソフィアは、料理や演奏団、そして人の多さに…………視界に広がる光景に圧倒されるのである。衣装は水色が掛かった袖無しのドレスにレース、そして額にはティアラを着用し、領主夫人として参加するソフィアに、仕立てを担当したミランダによる気合いが伺える。


 これまで自分が見ていた世界より…………何より今まで最底辺だった人間が、このような華の景色に足を踏み入れてしまい、もう緊張でしかない。


「大丈夫だ、俺がいる。お前はリラックスしていれば良い」


 レオナルドは、落ち着いてと言わんばかりにソフィアの腰に手を当て、優しい言葉を囁き掛ける。


「レッ…………オナルド?」


 ソフィアは緊張により、絞り出すように声を震わせてしまう。


「レオナルドさん、社交会に招待を頂き、ありがとうございます」


 落ち着いたな口調で、近づいて来たのは権力者であろう60代の白髪頭の老紳士。


「ようこそ、わが主催のパーティーに出席頂き、感謝を致します」


 レオナルドは手を胸に、お辞儀する。


 とりあえず、レオナルドに合わせてソフィアもお辞儀する。初の社交会、何より彼の領主夫人として、緊張により言葉が出ない。


 ───一方のレオナルド、場慣れた様子で老紳士と世間話をしている。会話の内容は国内における様々な情勢、それは明るい話や暗い話。繰り広げられる会話は、ソフィアにとっては難しい話だ。


「ソフィア?」


「はっ…………」


 レオナルドの問いに、我に返るソフィアである。緊張により、軽く無意識になっていた。彼と話していた老紳士は、いつのまにか立ち去っていた。

 

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