表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/105

第37話 麦ライスのおにぎり




───彼女の名前はマリア・セレス、服装は白い長袖のシャツに麻色のロングスカート。黒髪ロングの清楚な女性で左まぶたの下には泣きボクロ。見た目は若く、こうみえても年齢は40代前半だ。


「そうですか…………両親と妹さんは…………それは大変でしたね…………」


 マリアは心配な様子で哀れむ。


「そうなんですよぉ~~酷い家族ですよねぇ?私もビックリ仰天…………」


 ソフィアは後ろの頭をポリポリと掻き、笑って誤魔化した。家族の失踪の事は、簡潔に説明して伝えた。家に帰って来たら、置き手紙を残し、私を置いてどっかに行ったと…………。


「あらあらぁ~~~…………」


 ソフィアの言葉に、マリアは頷く。


 ソフィアはマリアが経営している孤児院によく遊びに来ていて、彼女が兼業としている日曜学校で勉強を教えて貰ったり、年長者として子供達のお守りのお手伝いをしたり、そこでよく炊き出しのご馳走を頂いたりしていた。


───場所はスラム地区、広場。


 炊き出しの列には、多くの住民と子供達が並んでいた。メニューはボリューミーなステーキと野菜サラダ、チキンスープに白い何か。


「うん、おいしぃーー」


 ソフィアは炊き出しの料理に、大満足な笑顔でモグモグと頬張る。


「後をストーキングしてみて分かっただろ?………俺がどのように税金を使っているのかと?」


 レオナルドは言う。


「ぶっ…………げほ、げほっ…………気づいていたの?」


 ソフィアはむせる。そしてトントンと胸を叩いて息を整え、尋ねる。


「当たり前だ、隠れるならもっと上手く隠れろ」と、レオナルドはキッパリと言った。


「ぐぬぬぬぬ…………」


 レオナルドの指摘に、ソフィアは表情を曇らせて拳をプルプル震わせ、悔しがる。後をつけているのに、知ってて放置するその余裕を持った所が、タチが悪い。


「それより何だが…………」


「何よ?」


 レオナルドの言葉に、ソフィアはムスっとした表情で応える。


「その、お前が作った白い何か。アレは何だ?」


 レオナルドは、ソフィアが持っている白い何かを見て、尋ねる。


「あー、これはおにぎりといって…………」


「オニギリ?何だそれは?」


 不思議に思うレオナルド。


「おにぎりと言うのは…………」


 それはソフィアが過ごした前世での記憶から引っ張り出して、炊き出しの料理の一品として、炊き込んだ麦ライスを塩で握っただけだ。そもそもヴァンガード帝国にはおにぎりの食文化はないから珍しいのも無理はない。何故わたしが、これを提案したのか、料理にステーキとサラダ、スープがあれば米が欲しくなるのは当然だからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ