第36話 見つかるソフィア
(…………)
静かに睨みつけるレオナルド。何でお前がここにいるんだ?と、言わんばかりの眼差し。
「アハハハハハ………意外と言うか、アンタが炊き出しなんて…………」
スラム地区の子供達に連れてこられたソフィア、気まずそうに頬を赤くし、頭をポリポリと掻く。何故なら、鬼畜領主と呼ばれているレオナルドが、市民達から好かれているのが、どうも信じられないからだ。
「お前、今まで俺の事を何て思っていたんだ?」
レオナルドは頭を抱え、尋ねる。何故ならソフィアの思い込みに、少しショックを受けている。
「う~ん…………」
考えるソフィア。思い浮かぶのは、魔王のオーラを漂わせたレオナルドの姿。まず、これを言うと怒られる。
「ソフィアさま?」
「うわっ!!ミランダっ!!」
隣にはいきなり、それは隠密行動の如くミランダが現れ、思わず声を出してビックリし、尻餅を着くソフィア。
「ソフィア様、社交会のレッスンを途中で放り出したので、こうして迎えにきたのです」
ミランダは言った。
しかしソフィアは言う。
「放り出したんじゃなくて…………休憩だって…………だけど、アナタはいつから私の後ろにいたの?」
「それはソフィア様がレオナルド様をストーキングしている時からで、ございます」
「ええっ、そんな時から?…………と言うか、ストーキングじゃないから」
ミランダの答えにソフィアはまた、ビックリしつつ、ストーキングを否定し、自身の行動を正当化させる。
───フフフフフ…………。
「ひさしぶりね、ソフィアちゃん?」
ソフィアに微笑み掛けて来たのは、レオナルドと一緒に買い物と炊き出しに協力していた40代の女性。
「お久しぶりです、マリアさん」
ソフィアは言った。彼女はマリア・セレス、孤児院の経営者であり、小さい頃からソフィアが色々とお世話になっている。
マリアは彼女を眺め、言う。
「何か、少し変わりましたわね?…………服とか、オシャレになった所とか…………」
「アハハハハハ、これには少し訳がありまして…………」
ソフィアは頭を掻いて微笑む。何て答えようかな…………と、レオナルドの婚約者と答えたら、何て思われるか。
「その、彼女と俺は…………」
「ストォーーープっ!!」
レオナルドは正直に答えようとした矢先…………ソフィアは思わず彼の口を塞ぎ、大声を出して止めた。
頭の上にクエスチョンマークを出し、首を傾げるマリア。
レオナルドとの婚約者の話は、まだ皆に伝えるのは早いから…………。それ以前、借金と未納税免除を引き換えに、婚約されたなんて、恥ずかしくて言えない。




