第26話 彼女との出会い
───レオナルドの言葉に、ルーファスは興味深く口角を上げる。
「それは初耳だな?どこの家の者だい?」
「いや、貴族と言うか………」
ルーファスの質問にレオナルドは考える。何故ならソフィアはこれまで貴族社会に縁が無かったザ・平民であり、皇太子の質問の答えに困る事態となった。貴族社会の帝国において、貴族が平民と婚約は周囲の目線は、怪異の対象となる。
「おいおい………もしかして平民と婚約したってか?」
格差差別っぽい口調で笑うルーファス。こいつの勘の鋭さは、昔からだ。
するとレオナルドは彼の肩を組み、誰にも聞こえない物影に身を潜め、言葉を囁きかける。
「お前は言ったな?このパーティーは俺の婚約者を探す為に開かれた催し物だと?」
改めて質問する。
「そうだよ、何故なら君は僕の愛しき大親友だからね………」
「なら安心した、その親友なら分かるだろ?俺と言う人間は、正直な性格だと?」
「ああ、皇太子である僕と違って、君は真面目で正直物だと………そのおかげで、君は学院時代においての人間関係は苦労していたからね」
「それに見かねて、いや興味半分でお前が関わって、今の関係に至るのだが………そんな要らぬ詮索はいい、俺の婚約者の事なんだが………」
レオナルドは、親友であるルーファス皇太子に婚約者ソフィアについての説明した。
レオナルドの答えに、ルーファスは思わず。
「ハハハハハハっ!!貴族であるお前がそんな娘と?領地で富裕層いじめをし過ぎて、ヤキに回ったか?」
ケラケラと笑うルーファス。
「あまり笑うと、皇族であっても殴るぞ」
嘲笑するようなルーファスの態度に、レオナルドはイラっとして表情を険しくさせる。
「すまない、すまない………だけど、何処に惚れたんだい?その彼女に?」
笑いを堪え、質問するルーファス。何故なら貴族社会における帝国では、貴族が平民との婚約は、貴族にとってのギャグでしかない。
「何処に惚れたか、それは………」
レオナルドは考える。彼女を婚約者に選んだ理由について………頭の中で彼女の姿を思い浮かべ、考える。
───初めて彼女を見たのは5年前、自身がノースゲイルの領主に就任した時、それは周囲の富裕層の反対を押し切り、貧富を目の当たりにした福祉政策の為、増税や富裕層に対しての課税を課し、その予算で炊き出しをしていた時だった。
中央広場で炊き出しをしていた時、その中で彼女を初めて見た。
彼女は自身のスープを他の子供達や大人達に分け与え、そして自身は少ないスープを手に持ったまま、周囲に笑顔を生み出していた。




