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第25話 皇太子ルーファス




───その頃、夜の帝都カイザレスにてレオナルドは公務としてパーティーに出席していた。主催者は皇族の皇太子、場所は帝都北区にある宮殿。


 会場には、多くの招待客が会話に花を咲かせ、賑やかにしていた。招待客は主に国内外の貴族や富裕層、その他国内に影響力のある者達。ちなみにノースゲイルの町から、帝都カイザレスまでは2時間の距離。パーティーを終えて領主館に帰る時間は、おそらく深夜になるだろう。


 テーブルクロスが敷かれたテーブルには、様々な料理がビュッフェ形式で用意されていた。その全ては皇族に仕えたシェフにより腕を振るった肉料理、魚介系の料理、パイ系の料理に野菜料理、あとはチョコレート系、生クリーム系のケーキ、フルーツ系のゼリーといったスイーツもある。


 招待客をかき分け、会場の中を歩き回るレオナルド。周辺からは様々な視線、まず貴族女性からは彼に対する色めいた眼差しが注がれ、あとは富裕層の男性からはヒソヒソと噂が混じった奇異な視線が光っている。


(…………ふん、所詮は金や権力、くだらない地位の為に俺と言う家柄と結ばせて将来永劫に繁栄させるというとする魂胆だな…………)


 レオナルドは冷静にやり過ごす。 


「お一つ、いかがでしょうか?」


 ソムリエがシャンパンの瓶を持って尋ねる。


「うむ、頂こう」


 ソムリエがグラスにシャンパンを注ぎ、それを軽く飲むレオナルド。シュワっとした泡の口当たりにフルーティーな味わいと微かな苦味、気持ちをリラックスさせるのに最適だ。


「楽しんでいるか?」


 レオナルドに話しかける金髪の青年、青い瞳に整ったルックス。年相応は彼と同じ、身長は同格で白銀の貴族服にズボン。彼は…………レオナルドは言う。


「お久しぶりです、ルーファス皇太子。この度、皇族主催のパーティーにご招待を頂き、誠に感謝しております」


 と、頭を下げ、深々とお辞儀する。彼の名はミゲール皇太子、現ヴァンガード帝国3代目皇帝ミゲール・ド・アルゼイドの長男である。


「そう深々とするんではない、私と君の仲じゃないか?」


 気さくに肩を組む皇太子。


「いつまでも帝国高等学校時代のノリでは、さすがに周囲に示しがつかないかと思いますかと?」


 真面目な口調のレオナルドは、気さくに肩を組んでくるルーファスに、そう言った。しかしルーファスは言う。


「君はいつも変わらないね?…………このパーティだって、君の花嫁探しの為に開いたと言うのに?」


「それはありがたい…………だが残念だったな、俺には婚約者が見つかった所だ」


 レオナルドは言った。



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