第19話 微笑ましい姿のソフィア
「おはよう」
「おはようございます、旦那様」
───ソフィアの衣装チェンジを済ませた後、彼を待たせている会食室に足を踏み入れる。
「おはよう2人共………ふむ、ずいぶんと華やかな衣装だな?」
会食テーブルに腰掛け、先に朝食を摂っているのはレオナルド。彼は新聞を広げて読み、朝ご飯であるバターとリンゴジャム付きのトースト、そしてレタスとオニオン、トマトのサラダ。モーニングコーヒーを口に含みながら衣装チェンジしたソフィアに、クスっとした微笑みで視線を向ける。
レオナルドの微笑みに、あと普段着た事ないドレスを着た事により、恥ずかしさで思わずソフィアはほっぺを赤くし、身体をモジモジしてしまう。
「どっ…………どうかしら?」
咄嗟にソフィアは感想を求めてしまう。やはり、衣装が似合っているかどうか、聞いてしまうのは本能だ。
レオナルドは、ドレス姿のソフィアをクスっと見て言う。
「そうだな………とても似合っているよ。好きな色のドレスって事はミランダ、お前が仕立てたのかい?」
レオナルドの問いに、ミランダはにっこりと言う。
「はい………ソフィア様が、旦那様を喜ばせたくてどうしてもって」
「ちょっとミランダっ!!」
ミランダの悪ノリに、思わずソフィアはかぁ〜〜と顔を赤してビックリしてしまう。
「しかし、ウソでは無いですよね?………旦那様の喜ぶ顔が、見たくない訳無いですよね?」
ミランダの指摘に、ソフィアは両手で頬をパッと押さえ、(ううっ〜〜〜)と、恥ずかしい表情で唸る。もちろんその意図も多少はある為、否定していない。
そんなソフィアの姿に、微笑ましい気持ちになるレオナルド。
「おやおや………朝から妻の可愛らしい姿を見れて、俺は幸せな旦那様だ」
レオナルドはクスクスと上機嫌に微笑む。
(と言うか、普通に笑うんだこの人………)と、税金を取り立てる鬼でしかないイメージのレオナルドの笑う表情に、ソフィアはビックリしつつも安堵する。
「お前、今なんか俺の事を、税金を取り立てる鬼だとか失礼なイメージを考えていなかったか?」
レオナルドの指摘に、ソフィアはギクッとなる。
「いやいや、そんな事は考えていませんよ〜〜〜」
と、図星を指摘され、瞳を反らしてパチパチと瞬きをしながらも否定する。
瞬きが多いが………まぁ良い、本当の事だからな。
「とりあえず、お前には領主夫人として、社交会においてのマナーを身に付けて貰う。そのフォローについてはミランダ、頼んだぞ」
「はい、お任せくださいませ」
ミランダは頭を下げ、お辞儀する。




