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第14話 鬼畜領主様の秘密書類



 

「ごちそうさまでした」


 しっかりと食べ終えたソフィアは美味しい料理に、両手をパンっと合わせて唱える。正直に言えば、前世で食べた料理とあと、私を売った1人であるママが作った料理より遥かに美味しい。


 一方、レオナルドは紙ナプキンで、冷静な表情で汚れた手と口元を静かに拭くのである。 


 ………まずは食事についての最低限のマナーを身に付ける必要があるな。と、ソフィアを見て画策するレオナルド。


「おい、おま………」


「ボブさん。作ってくれた料理、とても美味しかったよぉ~〜〜〜」


「はい、有り難き幸せ」


(コイツ、聞いていないな………)

 

 一応、彼女に一言だけを伝えようとするが、ソフィアは給仕係のボブを呼んで感想を伝えていた。


「どうかしたの?」


 視線に気づき、ソフィアは尋ねる。


「何でもない………」


 伝える事がバカらしくなるレオナルドは、軽くため息を吐いて下に視線を反らす。するともう一度彼女を見てみる………。


 そこには、給仕係のボブとメイドのミランダと楽しい雰囲気で和むソフィアの姿がある。


(少し神経質になり過ぎかな………)


 レオナルドは少しだけ肩の荷を下ろす事に。職業柄、どうしても気が抜けないのが常であり、領地を運営をする際、市民達における様々な情勢と照らし合わせながら税収で得た予算で政策、制度、保障を実施し、民を導いて守っていくのが役割であり、時には鬼となって税収を取り立てる事もある。


───そして高所得の民から囁かれた異名は(鬼畜領主)。しかし囁かれる異名に、彼は気にしない。


(とりあえず………今月におけるあの子達の食事は、何とか賄えそうだな)


 レオナルドは1枚の書類を取り出し、安心した様子で微笑みながら眺める。それは彼が目を掛けている子達の食費、家賃、光熱費等の算段をした見積書である。あの子達が飢えないようにする為、そして大人となってこれからの未来を導いていく為、その為なら自分はどんな奴を敵に回しても構わない………そんな覚悟だ。


 しかし、彼が目に掛けている活動は貴族や富裕層の者達からは良く思ってないのが現状であり、軽く変人扱いされている。


「レオナルド様。それは何の紙ですか?」


 横から。いきなり回って来たソフィアが彼の見積書を見ていた。

 

「仕事の見積書だ、お前にはまだ関係ない………それと、気配を消していきなり横に立つんじゃない。あと………お前は領主の婚約者だ、最低限のマナーや作法は身に付けて貰うぞ」


 レオナルドは冷静な口調で誤魔化すように見積書を折りたたみ、胸ポケットにスッと入れるのである。


 

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