第13話 壊滅的な食事のマナー
───正直に言えば、一方の私は大変お腹が空いていた。何故なら今日の朝から夜まで、何も食べていない。いや………正確には食べられなかったと言え、その理由に関しては説明は不要だ。
会食室にてソフィアはディナーにありついていた。しかし食べ方には少々問題があり、レオナルドとボブ、ミランダは驚いている…………。
「うぅ………美味い、美味いぃ………」
ソフィアは目からボロボロと涙を流し、泣きながら食べていた。本来、キジ肉のソテーはナイフとフォークで食べるのだが、彼女はスライスされたライ麦のパンにキジ肉とポテトサラダを挟み、サンドイッチとして召し上がっている。
「ははははは………これは、これは………何とも変わった食事ですかと………」
ボブは困惑する様子でソフィアを、そしてレオナルドを見る。食べ方に関しては、美味しく食べてくれるならボブは全然気にしないが、一方のレオナルドは作法と習慣、伝統を重んじるヴァンガード帝国の貴族、彼の顔色が気になるから………。
「………お前は、もう少し上品に食べられないのか?」
レオナルドはナイフとフォークを持ったまま、ぴくぴくと眉間にしわを寄せて口を震わせていた。
(やっぱり、怒っているなレオナルド様………)
レオナルドのぴくぴくして眉間にしわを寄せた表情に、ボブは苦笑いを浮かべて困惑する。
「あのボブさん………」
クリームで煮込んだ豆スープを飲み干し、ソフィアは言う。
「はい、いかがなさいました?」
「おかわり………」
ソフィアは恥ずかしい様子を浮かべ、空いた皿を持ち、ボブに注文。
「はい、ただいま用意致します」
ボブは微笑み、空いた皿をキャスターに乗せ、厨房に向かうのである。
「………お前は、両親にどんな食べ方を教わった?」
レオナルドは少し怒った様子で言う。
「う〜〜〜〜ん………食べる時はよく噛んで食べなさいって。後は洗い物を極力減らす為には、どんな料理でもパンに挟んで食べなさい。とか、他には………」
「もういい、あとほっぺにスープが付いているぞ」
「あ、ホントだ。ありがとね」
ソフィアはほっぺに付着しているスープを人差し指でふき取り、ペロっと舐める。
ソフィアの言い分に、レオナルドは自分が聞いたのが間違いだったと言わんばかりに、ため息を吐いて呆れ果てる。確かに、さっきまでボンビーだった庶民娘に食べ方のマナーなんて知らないのも無理もない。
普通の社交パーティーなら怒られるレベル。特に皇族や公爵主催のパーティーでこんな振る舞いをすれば、どうなるかは想像したくない………。




