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第12話 会食室にて見せる領主様の心情


 

「旦那様、失礼致します」


 ミランダが会食室のドアを開き、その後に足を踏み入れるソフィア。メイドであるミランダが緊張感を持って会食室に入る為、私も思わず釣られて緊張してしまう。


(うわぁ〜〜〜〜〜………)


 思わず室内を眺めるソフィア。


───室内は華やかな空間としている。ただ食事をする場所にしては広い部屋、純白色のテーブルクロスが敷かれた長いテーブルが目に映ってしまう。


「庶民感丸出しだな?ソフィア・マクミラン」


 会食テーブルにて、先に座っていたのは鬼畜領主様レオナルド。


「悪かったわね?庶民感丸出しな女の子で」


 レオナルドの言葉に、ムスっとなるソフィア。さっきまで自身はボンビーな庶民で、それでいきなりこんな場所で会食なんて落ち着かない訳がない。そもそも住む世界が違う。

  

 レオナルドはほくそ笑む。


「ふん、さっきまで借金と未納税を働いていた小娘がこんな場所で食事なんぞ、縁も無い新鮮な光景だろうな………」


「いちいち嫌な言い方ね………そうですよ、かつての私には縁も無い世界ですよ」


 ソフィアは言ってやる。


「はははは、そうか………。ならお前には、その世界に慣れてもらわないとな、何せ俺の婚約者になるのだからな」


 すると、厨房から給仕係が現れ、キャスターに乗せた料理を次々とテーブルに置いていくのである。晩飯のメニューはキジ肉のソテーに、クリームで煮込んだ豆スープ、スライスされたライ麦のパン、ポテトサラダ。


「今日はキジ肉のソテーか?」


 レオナルドは給仕係に言う。


「はい、レオナルド様の婚約記念として新鮮なキジ肉を使ったソテー、そして領主様の好物であるクリームで煮込んだ豆スープです」


 給仕係は言った。名はボブ、頭頂部はスキンヘッド、両サイドにチリチリとした黒髪。年齢50代、給仕係と領館専属料理人を兼任している。


「良く分かっているな………俺が実家にいた頃、父はこのスープは庶民的で汚らわしいく、底辺の料理だと小馬鹿にして、食べさせてもらえなかったからな………」


 レオナルドは言った。すると給仕係のボブは言う。


「差し出がましい事ですが、ご実家の方とは、まだ上手くいってないのですか?」


「まぁな………俺の出は貴族だが、父とは正反対な性格だ。あの人は民の事は考えないし、母上が亡くなった後にすぐに愛人と結婚して………すまない、つい愚痴を言ってしまったな」


 はっと気持ちを整え、我に返るレオナルド。 


「いえいえ構いません。それよりせっかくの料理が冷めてしまいますよ………」

  

 彼の心情を察するボブである。


 

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