第11話 今日を振り返る私
───私、ソフィア・マクミラン。ついこの間まで私は町の片隅にあるスラム地区出身のボンビー娘だ。家族はお人好しのパパとしっかり者ママ、あと人懐っこい妹がいて、たまに痴話喧嘩もしてお金はないけど周囲にいる親切な人達により、毎日が楽しい。
しかし………その日常は突如として崩れ去るのである。始まりはパパの借金、本来払う予定だった今年の住民税を、今月分の借金返済により取り立て屋にぶん取られてしまい、払えなくなった。それにより私は未納税により役人に差し押さえにされ、馬車に乗せられて領主館にドナドナされた。今月だけ我慢すれば帰れるハズだった………しかし。
───お前の家族と、とある取引をした。まずは家族の借金と未納税を引き換えに、お前を俺の婚約者として迎え入れる契約をな………。
ついでにパパとママ、妹から添えられた手紙には………。
───色々と大変だけど、元気でな。
───お姉ちゃん、げんきでねぇ〜〜〜。
こうして、私は家族に借金返済と未納税を引き換えに、鬼畜領主様に引き渡されたのである。
───ふざけるなぁ〜〜〜〜っ!!
と、私は叫ぶのであった………。
ミランダに付いて行き、食事の時間により会食室に案内される私。領主館の中は何と言っても華がある。真紅のカーペットに艶のある木造の内壁には汚れ1つも見当たらない。廊下を歩くソフィアは、今日と言う日を振り返る。
(日常って、こうも簡単に変わるものなのね………)
ため息を吐く私、いざ振り返ってみたら色々あり過ぎて理解が追いつかない。
「ソフィア様?」
ミランダは立ち止まり、尋ねる。
「何?ミランダ?」
私は言う。するとミランダはソフィアの顔をジロジロと観察するように眺めてくる。その彼女の言動に、思わず困惑してしまうが、あまり触れないようにしよう。
「ソフィア様、何か疲れている様子ですが?」
「今日は色々とあったからね………」
私は答える。
「ソフィア様、今日はレオナルド様との婚約記念として滋養が効いたディナーとなっております。食べたら元気になるかと………」
「はぁ………はぁ」と、私は吐くのである。滋養が効いたディナーを食べて元気になれる程、そんな問題じゃない。
するとミランダはネクタイを緩ませ、胸の谷間を露わにさせ、誘惑な口調でソフィアに視線を向ける。
「それともし………ソフィア様が元気におなりましたら、このミランダ、ソフィア様の全てを受け入れる覚悟は出来てますっ」
「いや、そんな事にはならないからっ」
ミランダの言動に、ソフィアはハッキリと一蹴する。




