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第10話 ミランダ・スチュアート




「はじめまして、ソフィア・マクミラン様。私の名前はミランダ・スチュアート、何かご注文やご要望があれば承ります」


 と、説明する。メイドのミランダ、齢は私と同年代だろうか、清楚な黒髪に優しくてつぶらな瞳、泣きぼくろがチャームポイントの女の子であり、当たり前だけど服装はメイド服。


「えっ………はい?」


 部屋に訪ねてきたメイドのミランダに、ソフィアは慣れない様子で返事する。何故なら私、前世でも今世でも、家にメイドがいる生活に変わるとは思いもよらなかった。前世はネグレクトな家庭により習慣は無くて生まれ変わった今世はボンビーな家庭の娘、どう接していいか分からない。


「ソフィア様はあのレオナルド様の婚約者、つまり私のご主人様であり命令は、絶対です………」


 ミランダはメイド魂を燃やし、忠誠心を出している。


「うんうん………えっ?」


 ソフィアはびっくりする。何故ならミランダは恥ずかしい様子、するするとネクタイの紐を緩ませて、その大きな胸の谷間を露わにし、グイグイとソフィアに歩み掛ける。


「ちょっとミランダっ?………」


 ソフィアはパニックになってベッドに尻もちを付く形で座り込み、ミランダは近い眼差しで見つめ、両肩に手を伸ばして掴み掛かる。ソフィアの目の下に映るのは彼女の大きな胸の谷間。


「もし、ソフィア様がその・・・になれば私、なんなりと応えさせて頂きますよ」


 これはヤバい、何かヤバい………。

 

「いや、無いから、無いからっ!!」


 ミランダの誘惑するような瞳と口調に、同性であるソフィアは思わず惹き込まれそうになり、ドキッとなってしまう。例えたら甘い匂いを漂わせた食虫植物のように、踏み込んでしまえば戻って来れないから。

 

「クスクス、ご冗談ですよ………ソフィア様はイタズラしがいがあります、反応がウブで可愛らしいです」


「とても冗談には見えなかったんだけど?………もしかして、本気だったの?」


 気持ちを整え、ソフィアは声を震わせて恐る恐る尋ねる。


 立ち上がるミランダはイタズラっぽく答える。


「さて………どうかしら?」


 ミランダは振り向き、ソフィアにクスっと口元を緩ませてはぐらかす。


 ソフィアは思った、彼女にはあまり踏み込まない方が良いと………何故なら恐ろしいから、色々な意味で。


 するとミランダはネクタイを締め、深々と頭を下げる。


「あと、ソフィア様。お食事の時間になりますので、会食室までお越しくださいとレオナルド様がお呼びでした」


「なら、それだけを伝えたら良かったんじゃないの?」


 ソフィアは疲れた様子で言うのである。


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