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第101話 二重工作員のミランダ




「何ですってっ!!」


 ソフィアは驚愕する。


「はい。あの社交パーティーはセシリー・ハイアームズ公女を逮捕する為、1週間前にレオナルド様が計画した作戦です」

 

 廃墟と化した屋敷の通路を、ミランダ主導の下で皆は付いて行く。手には明かりを灯したランタン、そして後ろを、騙されて連れて来られた孤児院の子供とスラム地区の住民達。大人子供と合わせて数は30名弱、暗くて湿った通路を歩く。


「まさか………あのエマさんが、町で引き起こした事件を全て主導していたなんて………。待って1週間前って、レオナルドは私の報告で気づいたの?」

 

 ソフィアは尋ねる。


「はい、レオナルド様の命令で独自に調査を致しました………」


 ミランダは言った。町で拘束した密売グループから色々と調べ、取引ルートや資金の流れ、そして主導した人物を帝国騎士隊による協力の下で情報を手に入れた。町で引き起こしていた共和国系外国人による不正取引、孤児院とスラム地区の人達を人身売買目的の誘拐。その全てを指揮していた者がフリオ・ハイアームズ公爵で、実行者は娘のセシリー・ハイアームズ公女という訳だ。


「その…………ミランダが私をここに連れて来た理由は?」


「はい、レオナルド様の命令で、迎賓館は武装工作員による犯行が予想される為、あえてレオナルド様がセシリーハイアームズ公女とダンス相手になって、嫉妬したソフィア様がパーティーを飛び出して、密売グループの工作員に捕まって、ここに連れて来られる計算となります」


 ミランダは言った。


 ソフィアはレオナルドの計画に(えっ?)と、絶句する。やっぱり思った、アイツは鬼畜領主だと………。彼の計算によりパーティーを飛び出した自分が恥ずかしい。


「つまりですね、私はあえてセシリー・ハイアームズ公女に協力していたのは作戦で、心はレオナルド様とソフィア様のメイドです」


 ミランダはニコッとした表情を浮かべ、礼儀正しく主張する。彼女の笑みに、ソフィアは安心。すると再び尋ねる。


「それでね、ミランダ?どうしてエマ………いや、セシリーはノースゲイルであんな事を?」


「それは………町の治安を悪化させて、その責任でレオナルド様を領主から退任させ、貴族の爵位剥奪が目的となります………。しかし、本当の目的はノースゲイルの領主となったセシリー公女は裏事業を拡大し、莫大な利益を手に入れる為です」


 ミランダは答える。


「それをレオナルドは、読んでいたの?」


「はい、ハイアームズ派に雇われた共和国系の犯罪グループに接触し、安い情報を差し出しつつ、彼らからも知っている情報を貰い、二重諜報員として暗躍してました」


 彼女の説明に、何も知らなかったソフィアは驚愕を交えた苦笑い。ちなみに与えた情報は領主の婚約相手や、町中にある空き物件、後は開催される催し物、招待客の情報である。その情報と引き換えに頂いたのは、彼らが計画していた裏事業や領主を引き釣り降ろす為の冤罪、そして失敗した保険として脱出といった計画だ。


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― 新着の感想 ―
 レオナルドしくじったと思ったら、実はできる子だったー!  でもこの扱いは後で怒られるパターンではないかと。  続きを楽しみにします。
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