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第99話 他にも連れて来られた人達




───それから、ミランダが立ち去ってどれだけ時間が過ぎていったのだろうか………。牢屋の中、ソフィアは事態が飲み込めないまま座り込み、考える。


「これから、どうなるのかな………」


 ソフィアはボソッと呟く。  


「その声は、ソフィア?………ソフィアでしょ?」


 隣の牢屋に、子供の声が聞こえて来た。


「この声は確か、カトル?」


 ソフィアは立ち上がり、鉄格子を掴んで隣の牢屋に視線を向ける。子供の正体、それはこの間、里親に引き取られた少年のカトル・ウィル。


「やっぱり、みんなソフィアだよっ」


 カトルが大声で言うと、他の牢屋にはこれまで里親に引き取られた孤児院の子供達、あとは仕事斡旋として連れて行かれたスラム地区の人達がいた。


 ───おお、ソフィア。お前も騙されて連れて来られたのか?


 他の人達はケラケラと笑って言う。


「騙された訳じゃなくて………皆は何でここに?」


 ソフィアは皆に尋ねる。すると先に、カトルはここまで来るのに何があったのか、口を開いて説明する。


「俺は………里親に引き取られて孤児院を出たら、いきなりこの廃墟の屋敷に連れて来られて、そしてここに閉じ込められたんだ。それで、お前はこれから共和国に売り飛ばすから大人しくしてろって………」


「何てこと………つまり人身売買ってこと?」


 カトルの説明に、ソフィアは驚愕する。


 ───怖いよ、マリアおばさんの所に帰りたいよ〜〜〜。と、カトルと一緒に閉じ込められている一部の幼女はシクシクと泣き出し始める。その様子を、同じ理由で連れて来られた他の子供達が頭を撫でて元気づける。


「俺は、美味い仕事があるからと言って、ついて行ったらここに来てしまったよ」


「俺の方は、綺麗なお姉さんと遊べるから」


「俺は、立っているだけで高収入の仕事と紹介されてよ………」


 一方、連れて来られて泣いている孤児院の子供達とは裏腹に、スラム地区の大人達は自身が騙されて連れて来られた理由を笑い話にしていた。


(バカなの?)と、相変わらず能天気なスラム地区の人達に、呆れ果てるソフィア。


───するとガラっと扉を開き、牢屋には再びミランダが現れた。


「ミランダ、アナタは何をしに来たの?」


 裏切られた事による怒りか………ソフィアは鉄格子を掴み、怒気を強めて尋ねる。するとミランダ、ポケットからカギを取り出し、鉄格子の牢屋を次々と開いていく。


「これは………どういう事?」


 突如としたミランダの言動に、ソフィアは驚いた様子で言う。


「これからここを脱出します。みなさん、私に付いて来て下さい」


 ミランダは言った。その状況に、再び飲み込めないソフィア。


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