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プロローグ



 

 そこはオラクル大陸、3カ国の国々によって統括された大陸である。大陸北部はサリシオン共和国、西部はアーク王国、東にはヴァンガード帝国。


 物語の舞台はヴァンガード帝国、主に歴史と伝統、宗教等を大事にし、体制は昔ながらの君主制による政権運営を採用している。


 場所は帝国北地域ノースゲイルの町。雰囲気は歴史ある中世の伝統と文化を尊重とし、高級感ある建造物が並ぶ町並みである。


 ★★★★★★


 朝、馬車が行き交う大通り。そこに、黒塗りで重厚感ある客室を引く黒い馬。


「ドナドナド〜ナ、ド〜〜ナァ………」


 私、ソフィア・マクミランは馬車の中でシクシクと涙を流しながら垂れ流すように歌っていた。気持ち的はまるで、売られる牛のように………。


 コツコツと町の大通りを歩くその、渇いた足音を響かせる蹄は、とある場所に向かうのである。


「雄牛に売られてぇ〜〜〜〜………」


 ソフィアは口ずさむのである。


 どうしてこうなったかって?それは2時間前に遡る………。




 そこは高級感の建造物が立ち並ぶ大通りにある裏路地を南下した街区、それは町の貧富の差をはっきりと表したスラム地区であり、大通りが表だとすればこの地区は裏だ。住民税を払い、生活するののがギリギリ低所得者などが多く住んでいる。大通りに並ぶ高級感な建造物とは違い、このスラム地区はボロボロのコンクリート造りの民家だ。


 そこに、この地区に似合わないような輩。身長は180センチ、髪形はアフロ、アウトローな革ベストを着用し、サングラスを掛けた男性が石造りの階段を下り、1軒の民家に足を止める。


 怪しい男性はコンコンとノックする。


「マクミランさん、今月の返済金を貰いに来ましたよ?開けてくださぁ〜〜〜い」


 怪しい男性(借金取り)は親しい口調で問いかける。しかし、反応はない。


「マクミランさぁ〜〜〜ん?いるのは分かってますよ?」


 それでも返事はない。そして怪しい男性(借金取り)は本性を取り出す。


「開けろよコラァっ!!出てこいっ!!マクミラン、コラァ!!」


 怪しい男性(借金取り)は借金額の500万BD《ブロンド》の契約書を取り出し、ドアを蹴り、怒鳴り散らすのである。何故なら中にいるのは分かっているからであり、おそらく居留守を使っている。


 ようやく折れたのか。ガチャ………と、ドアを開く音。そして………。



「はい、今月の返済金。頂きましたぁ〜〜〜」


 怪しい男性(借金取り)は20枚の札、今月分の利息である20万BD《ブロンド》を取り立て、スラム地区から立ち去るのである。


「さて、どうしようか………」


 マクミラン一家は頭を抱えていた。



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