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テーマ詩集:雷

雷傘

作者: 歌川 詩季

 雷に傘は危ないというので。

 雨の降る日は 雨傘をさすし

 日ざしが強い日は 日傘をさすから

 雷の舞う日は 雷傘(かみなりがさ)をさそう


 ぴかっと光って ごろごろと鳴るのをまたずに

 あたしのうえにおちてきて

 まっくろこげになっちゃうのは ちょっとだけいやだ

 あたしはまっくろこげになって死ぬんじゃなくて

 まっしろなおばあちゃんになって

 孫と猫にかこまれながら 死ねたらいいなって

 なんとなくおもってたから

 雷がおちてきて死んじゃうなんてのは

 やっぱり けっこういやだ


 ぴかっと光ったら びくっとおびえて

 ごろごろと鳴ったら まだ

 あたしがくろこげになってないことをたしかめて

 ほっと安心してたあたしだけど

 いまはもう 雷傘(かみなりがさ)がある

 発明してくれた 埼玉県在住の主婦41歳さまに

 ものすごく感謝したい



 ねぇ 雷傘(かみなりがさ)は電気をとおさないように

 ゴムで できているって知ってた?

 ゴムだから 雨には強いけど

 風には弱くって ぐにゃんぐにゃん しちゃうから

 ()をみじかくもって

 雷傘(かみなりがさ)のかげにひそむ

 ヤドカリみたいになって

 あたしは雷がおちてくるのにそなえる


 さぁ 雷 おちてくるなら おちてくるがいい

 あんたがどんなに ばちばちしてても

 雷傘(かみなりがさ)があたしをまもってくれる

 ()をみじかくもって

 雷傘(かみなりがさ)のかげにひそむ

 ヤドカリみたいになったあたしは

 くろこげにされたりしないもん


 さぁ 雷 おちてくるなら おちてくるがいい

 ぴかって光ったら ばちばちってしても

 くろこげにされたりしないことは

 ちゃんと わかっているけど

 ごろごろと鳴って ほっと安心するまでは

 どうしても びくっとしちゃう



 埼玉県在住の主婦41歳さまに

 こんどは 雷がこわくなくなる

 すごい発明をしてほしいとお願いしたい

 てゆうか。

 雨の日、でかけたくない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 惹き込まれて、あっという間に終わりまでいきました。雷は危ないですよね。雷傘、風に弱いのが難点なのですね…。嵐の時は少し心配です。
[一言] 雷は気をつけましょう。 どうしても建物なければ、ヤドカリが効果的かと。 雷とホラーと血が大丈夫になりたいです、、。
[一言]  ちょっとだけいや、がすぐにけっこういや、になってるところが、どうでもいいことをぼんやり考えているときの思考回路っぽいですよね。  雷克服は発明よりも催眠術に頼ったほうがいいかもですよ。
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