表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

代表作 エッセイ

なろうで★をつけてたら人生が変わった話

 早いもので『なろう』を始めてからそろそろ半年になります。


 色んなことがありました。


 初めは他人の作品に感想どころか★をつけることさえ出来ませんでした。


 たまたま空野 奏多さんの『ブルジョア評価企画』に参加して、多くのものを得ました。

『他人の作品に★をつけるとどんないいことがあるか』をテーマに作品を募集した企画で、今月いっぱいで終了しますので、ご存知なかった方、まだ参加していらっしゃらない方は、今からでも遅くないです、GOです。

 この企画に集まった作品を読んで、本当は★をつけてあげたいのに、恥ずかしくて、怖くてつけられない、そんな人が自分だけではなかったことを知りました。


 この企画に参加したことをきっかけに、私はバンバン(ってほどでもないかな…)他人の作品に★をつけ、感想も書き、レビューまでするようになりました。


 初めは★5ばっかりつけていました。

 でも『これはおかしいよな』と自分で感じていました。自分の中で最高〜そこそこまで、順位はあるはずなのに、みな同じ★5。★5より下をつけるのが怖かったのです。これは優しさなんかじゃなく、自分の臆病だと思っていました。


 そこへこっぽらきんぐさんのエッセイが背中を押してくれました。自分の評価に素直になってもいいんだ、と。★1は『うんこ』ではないのです。★0だとポイントはつきませんが、★1なら2ポイントもつくのです。


 読んだ作品には必ず★をつけるつもりで接すれば、今まで★をつけなかったようなものにもポイントがあげられるようになり、私の『評価をつけた作品欄』の作品数がどんどん増えて行きました。


 念のため繰り返しますが、★1は『うんこ』ではありません。最後まで読めた作品なんですから。読んだ作品には必ず★をつけると書きましたが、読みはじめたもののさっぱりわからなくて評価しようがなかったものには今でも★をつけていません。★1は立派に評価に値すると思った作品にしかつけません。



 うわぁ……。ここで一休みして書いたものを眺めてみたら★がいっぱい……。

 綺麗……。



 さて、そんな風に、私は他人の作品に★をつけられる人に成長しました。

 そんな私の変化は『なろう』だけではなく、日常生活にも現れたんです。


 スーパーへ行きました。

 原付スクーターのおばあちゃんが駐輪場で困っていました。

 バッテリーでも上がったのか、キックスターターを必死に何度も何度も踏んでいました。

 でもエンジンがかからないみたい。


 私は大学時代はずっとバイクに乗っていました。

 社会人になって車に乗るようになってからも125ccのオフロードバイクも持っていました。セルスターターのない、キックスターターのみのバイクも乗っていたので、キックの踏み方はプロです。


 以前の私なら、『おばあちゃん困ってるな。プロの私ならたぶん一発でエンジンかけてあげられる。でも……話しかけるの怖いな。恥ずかしいな』で、素通りしていたこと間違いなかったと思います。


 素通りしてから、そのあと何日も、自己嫌悪に頭を抱えていたことでしょう。


 どうしようかと3回、おばあちゃんのほうを振り向きました。


 おばあちゃんはそんな私に気づかず、ただ必死にキックを弱々しく、何度も踏んではハァハァ息を切らしています。


 スクーターの買い物かごには買ったものが山盛りで、おばあちゃん自身も大きなリュックを背負っていて、とても大変そうです。


「かからんの?」と、私はとても自然に声をかけることが出来ました。


 この引っ込み思案の私が。


 おばあちゃんは救世主の出現を見るように「ああ……」と言って笑い、汗を拭きながら「セルが、ねぇ……。セルが」と息を切らしながら言いました。


「貸して?」と私はハンドルをまっすぐにし、念のためイグニッションがちゃんとオンになっているか確認してから、キックペダルに体重を乗せ、ぶんと踏み下ろしました。


 ブンブンブ……。


 一発でエンジン始動。


「ああ……! ありがとう! ありがとうございます!」


 そう言って頭を何べんも下げるおばあちゃんに、基本的に無表情の私は、笑顔も返してあげられなかったし、


「エンジン止めないようにね。30分ぐらいかけっ放しにしといたらたぶん、セルでかかるようになる」


 なんて気の利いたことも言ってあげられなかったけど、


 キックペダルを畳んで「はい、どうぞ」と素っ気なく言って背を向けただけだったけど、


 今まで自己嫌悪に頭を抱えるばっかりだった引っ込み思案と比べれば大違い。


 これは間違いなく、『なろう』で★をつけられる人になっていたからです。


 なんだか自分が好きになれました。





ただ、あの後おばあちゃんがコンビニとかに寄ってもしエンジンを止めたらまたキックしないといけないので、やはりエンジンを停めないように注意しておくべきだったと反省しています_| ̄|○

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵です!
[良い点] 困っている人がいてもなかなか動けないのわかります(未だに後悔が…) それでも勇気を出して一歩を踏み出せたのはすごいことですよ。おばあさんも嬉しかったと思います。困っているときにスルーされる…
[良い点] わ、そんな素敵な事が起きていたとは! そのワンアクション、とっても素晴らしいですー‼︎(盛大な拍手) やっぱりいくら思っていても、行動しなきゃ相手には伝わらないと思うんですよね。目に見え…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ