継続
不倫の話です、苦手な方は読まないでね、すいません。
最後にみなさんに聞きたいことがあるんです、良かったら最後までお付き合い下さい。
それから更に一年が経とうとしていた、里美と利矢は沢山の場所に出かけた、映画やショッピング、花見や水族館。利矢はどこに行く時も里美の手を離さなかった、二人でいる間は片時も離れたくないというように。
里美に家族への罪悪感が無かったわけではない、少し帰りが遅くなる時には夕飯を作って出かけ、遅くても7時には家に着くように帰り道を急いだ。旦那の帰りはいつも遅く、11時過ぎるので、バレることはないだろうと思っていた。
お金のことも相変わらず気がかりだったが、
「いつも本当にありがとう、俺は里美に生かされてるようなもんだよ」
と言われれば、お金はある方が出せばいいじゃないかと思えた。実際に初めて会った頃軽すぎた体重も増え、顔色も良くなったし、昼夜逆転生活も改善したようだった。
「俺は怒りの感情が死んでいるんだ、だから怒らないよ、辛いことがあっても、悲しくなってやり過ごすだけ」
仕事で失敗したと言う利矢がある日漏らした、確かに何年も一緒にいるのに里美は利矢が怒った所を見たことが無かった、話を聞くと明らかに負は相手にあるように感じたので、
「それは少し怒ってもいい事だよ」
そう言った里美を利矢は静かに抱き込む、
「里美がいてくれて良かった、いなかったら本当に一人で悲しいままだった」
日が沈みかけた河原で二人は時間が許す限り寄り添っていた。
利矢は年末年始や長い連休などは逆に仕事が忙しくなると言って会えなくなった、しかし、連絡はまめにくれたし、通話したいと言えば直ぐに話す事が出来たので、里美は寂しく感じることはあっても不安を感じることは少なかった。
自分は利矢に愛されている、そう感じるようになっていた。
「いつも一緒にいるような気持ちがするから、里美の付けてる香水わけて?」
利矢がそう言ってくれたので、自分がいつも着けているChloeの香水をアトマイザーに入れて利矢に渡した、二人の香りはお揃いになった、夜は里美も枕にその香りを吹きかけて眠る、離れていてもいつも一緒だと思いながら。
いつか子供達が成人したら二人で暮らしたい、そんな夢を見るようになっていたのだ。
まだ、もうちょっと続きます