28.憂鬱な1日
本というものは…。
借りたからには返しにいかねばならない。
ま、本に限らず借りたものは返さなきゃなんだけどね〜。変な人(王子とか王子とか、王子とかね!)サリナや他のメイドに返してきてっていうの1番楽なんだけど。
なんせ国立図書館は借りた本人が返さなきゃならないらしい。貴族なのに!?って思ったけど、借りる時にサリナに行かせなかった私の落ち度だ。
そして借りたもうすぐ2週間経つ。やばい。
今日までにいかねば…っ!
国立図書館は2週間以内に借りた本を返さないと2度と借りれなくなるのだ。
いや、厳しすぎなっ。
「メルナお姉様、何かありました?今日の演奏は一段とその。なんていうか音が暗いです!!」
メルナはミリナのピアノの練習に付き合ってヴァイオリンを弾いていた。そう、眉をくねらせて、とても渋い顔で。
音…。
ふぅ、私としたことがミリーの練習に付き合っていたはずなのに…いつのまにか意識が飛んでイヤイヤモード出ていたわ。
でもさ?
いやなんだもんっっ!
もうすぐ15時。
国立図書館は21時までのはず。
くぅーーーー。
こういう時はっっっ。
「ごめんなさい、ミリー。ピアノの練習は今度付き合うわ。それより、お兄様も誘ってお茶でもしない?今日はスイートポテトアップルパイを焼いたとシェフが教えてくれたの」
そう。甘いものだ。
「スイートポテトアップルパイ!!私それ大好きです〜!お兄様呼んできますっ」
「ミ、ミリー⁉︎」
ミリーは目を輝かせて部屋を急ぎ出て行った。
もう、わざわざミリーがお兄様を呼びに行がなくてもメイドに行かせればいいのに。
貴族とは下の者をうまく使えないと行けないのだ。彼らに仕事を与えることも貴族の義務…なんちってね。
まー、私はそんな口うるさいこと言わないけどね〜。お父様じゃあるまいし。
その後、メルナはミリナとグレイスとスイートポテトアップルパイを食べながら2時間ほどお茶をした。
そしてノルドが呼びにきて3人は少し早めのディナーを食べた。
「ふぁ〜…晩御飯も食べたし。もう今日は早めに寝ようかな〜」
ぼふっ。
メルナはベットに倒れ込む。
あ!そうだ。
まだ読みかけの本があったんだ。それ読んでから寝ようっと………本?
え。
本ーーーーーーーーーっ!!!!
やっば、本返しに行くの忘れてたよ。
今何時!?
チクタクチクタクッ。
20時半!
今から馬車を飛ばせばギリ間に合うわねっ。
「サリナ!馬車を出して!!」
寝る前にホットミルクをカップに注ぐサリナの手が止まる。
「へ?…あの。もう20時を回っていますが。一体どちらへ?」
「国立図書館!本返してなかったのよ!このままだと2度と本借りれなくなっちゃうっっ」
私の言葉を聞くと、サリナはため息をつき「時間も遅いのでノルド様についてご一緒してもらえるように話してきます」と部屋を出て行った。
カツカツッカツッ。
「はぁはぁ…図書館の中ひろっ」
メルナは国立図書館前に馬車が止まるや否やノルドの呼び止める声を無視して走り出した。
やばいやばいっ、まだ読みたい本や借りたい本がいっぱいあるのに〜。
間に合えーーーー。
バンッ。
「はぁはぁっ、本!返しますっっ」
チクタクッ。
「20時58分…セーフですなぁ。ギリギリ。スフィーク侯爵令嬢殿。ふぉふぉふぉっ」
そう言って白髭をいじりながら受付のお爺さんは笑った。
「えへへ、すみません。次からはもっと余裕を持って返しに来ます」
「よいですよ。本をたくさん読んでくれる子が増えて嬉しいのでね。ほれ、あそこに座っているあなたの友達も毎晩夜遅くまで本を読んでいますぞ〜」
友達?
友達なんていないんすけど。
だって、お茶買いとかパーティーなんててんで行ってないし。
メルナはお爺さんの指差す方に目を向ける。
!!
なんであの子が…?




