27.そうじゃないって!!
「遠慮することないよ。僕が気にしないでいいって言ってるんだし」
しつこいな。
「いえ、本当に大丈夫です」
負けじとキッパリと答えるメルナ。
というかいい加減本を読ませてくれ。そして私から離れていってください、そりゃもう早急にね。
「あの、そろそろ本を読んでもよろしいでしょうか?」
メルナはそりゃあもうストレートに伝えた。
あなた達との会話を終了して本を読みたいと言う意思を。
「そーだよー。あんまりしつこいと嫌われるよ。さぁ、僕達は本を楽しもうメルナ嬢」
アルゲイは王子の方をポンと叩き、いつの間にかメルナの横に来ていた。
「どうぞ、レディ」とメルナの椅子を引いてあげるアルゲイ。それに対してクスッと小さく微笑むメルナ。
推しがっ…推しがじぇーーーんとるまん!!
可愛いかよっ。
「おかしくないかな。なんで今日会ったばかりの君たちがそんなに仲良さげにしてるのかな?え…っ。ちょっと!僕を無視して本読み始めるのはなくないかっっ」
ブツブツ呟いている暇にメルナの本を覗き込み一緒に本を読み始めたアルゲイ。
それに慌ててフィリクスが勢いよくメルナの空いている逆サイドの横に座る。
「僕にもちゃんと見えるようにおいてくれる?」
いや、この本絵本じゃないのよ。
歴史書なのよ。
歴史書3人で1冊読むなんて無理があるだろ。1人で読ませてよ。
そう思いながら、根本が優しいメルナはフィリクスにも読みやすいように本を少しずらしてあげた。
「君はあれだね。僕のこと嫌いなのにこーゆーところは優しいんだね…」
そんなメルナにフィリクスが驚いて目を見開いた。
「?別に嫌いじゃないですよ」
「う、うそつけ!!先日のパーティーでの態度といい、さっきだって僕を拒否してばかりだよねっ」
ガキかよ。…いや、10歳はガキだな。
まさか、こんなに何もってるとはね。透かした顔してても王子もまだまだガキね。
「まぁそれは…極力関わりたくないからってだけで」
途端に「ぷふっ」と手で口元を抑えて震えるアルゲイ。メルナが何?と顔を向けると笑いをこられながら話し出した。
「いや、それ嫌いと一緒じゃなの?ふふふっ」
「違います。嫌いっていうのは王子が嫌な奴だったりで王子に問題がある時を指します。関わりたくないというのはあくまで私の問題ですもの。
その、…なんていうか目立ちたくないんですよね私。静かに大人しく暮らすのが人生の最大の目標なんです」
ガシッとメルナの手を掴むフィリクス。
「…そうか。わかったぞ。メルナ嬢の気持ちは理解した。では、次からは2人きりで周りの目がない時に会おうっ。これでいいね!」
逆に噂になるわ。
何私をいじめられっ子にでもしたいのかなこの王子様は。
「えぇーー、僕は仲間に入れてくれるよね?メルナ嬢」
反対側から、空いている手を掴みお願いポーズを作るアルゲイ。
なんだこれ。
これぞまさに両手にはなって?
けっ…やっぱり外出なんてするんじゃなかった。
メルナは遠くを見つめた。




