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26、推しをみつけちゃった

うーーん。

どうしたものか…。


「どうかされましたか、お嬢様」


侯爵家が誇る図書室の真ん中で腕を組んで悩んでいるとサリナが声をかけてきた。


「いや、ここにある本はもうあらかた読んじゃったんだよね」


そうなのだ。屋敷を歩いているとき何かしらのメルナは基本本を抱えて歩いている。

そして暇さえあればどこかに座り込み読み始める。

それも人目のつかないところで読むのでメイド達もよくメルナを見失うほどだ。


「それでしたら、国立図書館に行かれてみてはいかがです?街の中央に位置するとても大きな図書館ですよ」


図書館…ほぉお。いい響きね。

外に出かけるって言うところがインドア派の私にはすっごいマイナスポイントだけどありっちゃあり。

よしっ。


「そうね…お兄様とミリーは?」


「お2人ともお嬢様に追いつきたいと今日もマナーレッスンや勉強などを頑張られています」


サリナは「ふふっ」と楽しそうに笑った。


そっかぁ。スフィーク侯爵家は安泰だねぇ。若い2人がこうも頑張ってくれてるときちゃあ。

(メルナも10歳です)


頑張っている2人の邪魔をするのも違うので、サリナと2人で国立図書室へ向かうことにした。




「久しぶりだね」


国立図書館は入る椅子に座っていざ本を読み出そうとすると後ろから聞き覚えのある声がした。


メルナはそろりと振り返る。


ちっ。

なんでだよ。え?これはあれなのかね?

私にGPS機能でもつけて跡つけてきたのかな?

絶対そうだよね。


「………お久しぶりでございます、王太子殿下」


メルナは立ち上がりカーテシーをとる。

そして、ちらっと王子の後ろにいたクルクルとしたオレンジ髪のパッチリとした黄緑の瞳のこれまた可愛い少年に目を移す。


誰このかわい子さん。


「あぁ、彼は僕の友でアルゲイ・ミシャルゲだよ。甘党で見た目通り可愛いやつさっ」


王子に「ハハッ」と軽くイジられながら紹介されたアルゲイ・ミシャルゲはニッコリ笑った。


「僕しか友達がいない可愛そうな殿下よりかは甘党なんて可愛いものですよ〜。あ、僕アルゲイ・ミシャルゲ。よろしくね、スフィーク嬢っ」


うはーー。小悪魔や。

小悪魔がおるで。

可愛い笑顔でさらっと毒付きよった。めちゃいい性格しとるやん。好き。もう推しよ。

今日からあなたを私の推しにしてあげるわ!!


「ぷっ、ふふふふ。こちらっ、こそ。よろしくお願いしますね、ミシャルゲ様」


メルナは笑いを堪えることができず、笑いをこぼしながら笑顔で挨拶をした。


しーーん。


やばっ…笑うなんて失礼だったかな。


2人が突然黙ってしまい、少し気まずくなるメルナ。


「…かぁーーわいいっ!スフィーク嬢って氷姫って感じかと思ってだけど笑顔とーっても可愛いね!


ねね、僕のことミシャルゲじゃなくてアルゲイって呼んでよぉ」


やだ。相思相愛かしら。

推しに気に入られるなんて照れちゃうじゃない。


「はい、では私のこともメルナとお呼びくださいアルゲイ様」


「うんっ!よろしくねぇ。メルナ嬢!」


アルゲイはニカッと頬を染めて笑った。


「ごぼっんっ。んん。2人が仲良くなれたみたいでよかったよメルナ嬢。私のこともフィリクスと呼んでくれていいよ」


わざとらしい咳で無理矢理話に入ってきた王子が笑顔で言ってきた。


「え?大丈夫です。ご遠慮しますわ。そんな無礼なことできませんし」


ていうか、メルナ呼びもやめてよね。許してないんだから。ま、それは前回のお茶会から勝手に呼んじゃってくれてますけどね王子の奴はっ。


とっさに答えるメルナに王子は固まり、アルゲイはそんな王子を指差して笑っているのであった。


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