22、お茶っす
あーーあーー、たーのしくないなぁー。
こんにちは、メルナです。私は今絶賛お茶会とやらに来ています。もちろん、ミリーとお兄様も一緒ににね。
王妃様が開いたこのお茶会…。あれだよね。
絶対王子の婚約者選びだよね?
だっる。目立たなくねぇ…という事で様の方でこじんまり3人仲良くお菓子を頂いているところ。
王宮のお菓子と言うことだけあってどれもレベル高いわね。
「お兄様、このクッキーも美味しいですよっ」
そう言ってミリナはグレイスの口にクッキーを運ぶ。
その時、どこからかクスクスと笑い声が聞こえた。
「ふっ、ふふふっ。なんてはしたないのかしら?流石は平民。いえ、元平民ですわね。パーティーに来てまでお菓子をむさぼり食べるなんてっ!」
わざわざ皆に聞こえるように大きな声で話しながら出てきたのは伯爵家のモナシア・グレーテルだ。
その後ろにも2人ほどいる。そのうちの1人が口を開ける。
「メルナ様がお可哀想ですわ…」
とわざとらしく困った顔を作る。
カァッと顔を赤くし、ミリナは「ごめんなさい」と小さく呟きうつむいてしまった。
……。
は?なんなんこいつら。
うちの可愛いミリーにこんな顔させるなんてっ。
お兄様!やったまいなっ!!
チラッとお兄様を見ると彼も同じくふいてしまっていた。
あー、平民っていう言葉は2人に対してだったもんね。はい、モナシアさん達一行地獄行きでーす。
うちの兄弟2人を傷つけたんだから。小説の中で悪魔と呼ばれたデビルメルナちゃんの出番かなぁ。
メルナはミリナの横に立ち、肩に手を置いた。
「ミリー、お姉様にはクッキーくれないのかしら?お兄様だけなんてずるいわっ」
メルナはふふっと優雅に「大丈夫」と言うように笑った。
そんなメルナにドギマギして慌ててミリナは持っていたクッキーを差し出す。
パクッ。もぐもぐ。
あーー、やっぱりおいしぃ、バターが沁みるぜ。
メルナは頬に手を当ててゆっくり堪能する。
「…お姉様?」
「あら、ごめんなさい。あまりにも美味しくて。ミリーが口に運んでくれたお陰かしら?それとも王宮で実力を認められている一流のシェフが作ったものかしら。
ふふっ、どちらにしても。モナシア・グレーテル様。貴方に悪く言われるようなことを、私の兄弟はしてませんわね」
そうだ。私自身が2人を侯爵家の兄弟だと認めてるのに他家の者がつべこべ言うのが間違っている。
ましてや、身分が下のものが侯爵家にとやかく言うなとメルナは態度と行動で示したのだ。
そして、このクッキーは王宮で出されたお菓子だと。つまりお菓子を卑下すると王族に文句を言うようなものだぞとも言っておいた。
さぁっ!とくと味わうといい!
このデビルスマイルを。
メルナが小説のように高笑いでもしようとしたその時ーーーーー
「どうかしたのかな?」
いつの間にか集まっていた人混みがスッと道ができ、スッと金髪の美少年が現れた。




